インタビュー

MOGWAI 『Hardcore Will Never Die, But You Will』

 

MOGWAI_特集カバー

 

新しいことをやっている!という興奮

 

2010年、バンド結成15周年を迎えたスコットランド出身のロック・バンド、モグワイ。その節目となる年に〈METAMORPHOSE〉に出演し、さらに初めてのライヴ盤『Special Moves/Burning』をリリースするなど、彼らはデビューのときから変わることのない結束力を見せてくれた。振り返れば浮き沈みの激しいロック・シーンのなかで、彼らはインスト・バンドの可能性を探求しながら、しっかりと自分たちのポジションを築き上げてきた。そんな彼らの2年半ぶりの新作『Hardcore Will Never Die, But You Will』が完成。プロデュースを手掛けたのは、デビュー・アルバム『Young Team』以来の顔合わせとなるポール・サヴェージだ。

「お互いあのアルバムから成長しているだろうし、そろそろいっしょにやってみる頃合いかな、と思ったんだ。彼のスタジオ(ケム19スタジオ)も、それに最近彼が手掛けたファントム・バンドやトワイライト・サッドのアルバムも気に入ってるからね」(バリー・バーンズ、ヴォーカル/ギター/キーボード:以下同)。

デビュー作から、それぞれに成長を重ねて巡り会った旧友。さらにモグワイとは長い付き合いのルーク・サザーランド(ボウズ)もゲストに加わって、気心の知れた仲間たちとレコーディングが行われたようだ。そして、そうしたリラックスした雰囲気がある一方、これまでとは違った環境がアルバムに新しい息吹を持ち込んでいる。

 

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「いま、ジョン(・カミングス、ギター)はニュー・ヨークに住んでいて、俺はベルリンにいる。だからレコーディングでグラスゴーに集合するまでは、それぞれ音楽ファイルを送り合ってレコーディングの準備をしたんだ。おかげでこれまで以上に、曲と向き合って過ごす時間が多かった。もしかしたらその影響で、アルバムにこれまでと違う雰囲気が生まれているのかもしれないな。レコーディング中は〈すごく新しいことをやってるんだ!〉っていう、ちょっとした興奮を感じてたよ」。

アルバムの向こうでは、彼ららしい静と動のドラマが展開されているが、それぞれの曲はしっかりと作り込まれていて、曲によってはポップな印象を与えるかもしれない。でも、彼らならではのダイナミズムは失われてはいないし、ギター・ノイズの奔流、メランコリックな旋律、クラウト・ロックを彷彿とさせるハンマー・ビートなど、さまざまな要素が融合して、モグワイ美学で構築されたサウンドスケープが立体的に浮かび上がってくるあたりは見事。そんななかでも、控え目ながらヴォーカル・ナンバーもアルバムのアクセントのひとつになっている。

「ヴォーカルが入ることで、ほかの曲との違いをハッキリ出せるんだ。だって、一人一人がまったく違う自分だけの声を持ってるからね。ヴォーカルを入れるときはヴォコーダーを使うことが多いけど、ルークが歌っているときだけは使っていない。ルークにギターかヴァイオリンを入れてもらおうと思ってデモテープを渡したら、彼はヴォーカルも試しに入れてみてくれたんだ。それが曲作りのうえでとても役に立ったよ」。

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▼ポール・サヴェージがプロデュースを手掛けた作品を紹介

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2011年02月02日 18:00

更新: 2011年02月02日 18:51

構成・文/村尾泰郎