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インタビュー

INTERVIEW(2)――ファンタジーをポップスでコーティング

 

ファンタジーをポップスでコーティング

 

Heavenstamp_A1

――“Stand by you”はメンバー全員手応えがあったと。そして次の曲は、ラッセルさんと共作した“Pops”。私がこの曲を初めて聴いたのは去年の『Hype - E.P. + REMIXES』のリリース・パーティーのときだったんですけど、Heavenstampにしては意外な曲だな、と思ったんですよね。〈Hype〉の取材の際にバンドのキーワードとして挙げていた、ディスコ・パンク、シューゲイズ、シンフォニック――それらにあてはまらない曲だなあと思って。

Tomoya「そうですね。いまのお話で繋がった部分があるんですけど、この曲は去年の夏ぐらいにはメロディーとコード進行とかのざっくりしたところまでは出来てたのに、この4人で完成形まで持っていくことがどうしてもできなかったんです。それはもしかしたら、掲げていたいくつかのテーマにあてはまらないからだったのかなあって、いま思いました。でも曲自体が持っていたものはすごくいいから、これを活かしたい、って考えたときに、〈ラッセル、8ビート強そうだな〉って。それでラッセルといっしょにやったところ、うまくいってしまったという」

――では、原型を聴いたラッセルさんに、アイデアを出してもらって?

Tomoya「そうですね。すごくベーシックな演奏で、アウトロまではなかったと思うんですけど、〈こんな感じなんだ〉っていうのを投げて、ラッセルがそれを曲として、ちゃんとアウトロまである状態にしたものを返してくれて、そこにバンドとしての解釈を加えたものをもう1回聴いてもらって。レコーディングに入るまでのあいだに何回もやり取りをして、詰めていきました」

――これぞ〈3分間ポップ〉と言える曲ですよね。私、この曲を聴いて思い出したのがスミスだったんですけども。

Tomoya「(ニッコリ笑って)はい。まさに……な感じだと思います。最初に4人でスタジオに入った段階では、映画の最後にさらっと流れるようなポップスにしたい、っていうふうに伝えたんですよ」

Mika「ミニシアター系(笑)?」

Tomoya「(笑)そう、ハリウッドではなくて、ミニシアター系の映画で。それほど明るくもなくて振り切ってもいない、ヨーロッパあたりの映画の最後にするっと流れて……みたいなざっくりしたイメージがあったんですけど、自分としては、そういった雰囲気のなかにスミスが見え隠れしてる感じもするし、実際レコーディングの現場では、ジェイミー(・エリス、ブロック・パーティvsコパイロッツにおけるラッセルの相棒)と〈スミスみたいな感じもいいね〉って話をしたように思います」

――あ、ホントですか?

Tomoya「確か、そんな話をしてました。ギターの音の感じとかはかなり……(笑)」

――そうですね(笑)。

Tomoya「ですよね(笑)」

――では、タイトルはそれで“Pops”なんですか?

Sally「そうですね。仮タイトルが“Pops”だったんですけど、歌詞をつけたあとも、そのままがいいなあと思って」

――タイトルは、歌詞の世界観ともリンクしてるんでしょうか?

Sally「歌詞では、私なりのファンタジーを描いたつもりなんですね。夢のなかで好き放題するような歌詞なので、ちょっと不思議な、エキセントリックな雰囲気をポップスで――曲でコーティングして、ちょうどいいバランスにしたかったというのはありますね」

 

〈マリオ〉が共通言語に

 

――この曲はレコーディングもラッセルさんと行っていると思うんですけど、彼に対しての印象はいかがですか?

Tomoya「すごくおとなしくて、口数がめちゃめちゃ少ないんですけど、でも音楽に対しての意見は明確に持っていて全然妥協しない人なので、そのギャップは不思議な感じがしました。あとは、〈こういうふうにしたいんだけど、どうかな?〉って言うと、〈そのためにはこうしたほうがいいと思うから、じゃあやってみよう〉みたいな感じで、それが100%の答えになるかわからなくても、とにかくやってみるっていう。そういうところだけは積極的な姿勢を感じるっていうか。音楽以外のことについては遠慮がちな雰囲気なんですよ(笑)? みんなでラジオ体操やってても、〈僕はいいやー〉って。ジェイミーはもう、喜んでやってるのに(笑)」

――(笑)ではもう、かなり打ち解けた感じで?

Tomoya「TVゲーム好きなんですよ、ラッセルが。けっこうオタクらしいっていう噂は聞いてたんですけど、こっちとしても、ジャパニーズ・オタク・ギタリスト代表として」

――さらっと言ってますけど、そうなんですか(笑)?

Tomoya「はい。〈スーパーマリオブラザーズ〉とか超好きで譲れない部分があるので、〈クッパ城のテーマ〉とかを弾いてアピールしましたね。俺は弾けるぜ、って(笑)。そしたらラッセルが、〈それ、どうやって弾くの?〉って……(その後、しばらくラッセルと〈マリオ〉との思い出話が続く)」

――まあその、ともかく〈マリオ〉がお好きなんですね。

Tomoya「そうですね。あと服とかも、ラッセルが初日にガンダムのTシャツを着てきてたんで、これは負けてられないと思って、次の日僕が〈ロックマン〉っていう、ファミコンのキャラクターのTシャツを着ていったら、〈クール!〉って(笑)」

Sally「でもその日、ラッセルは〈パックマン〉のパーカーを着てた、っていう。そういう戦いを、微笑ましく見てました(笑)」

 

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掲載: 2011年05月11日 18:02

インタヴュー・文/土田真弓