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インタビュー

変容するエレクトロ……80kidzともシンクロするその現状とは!?

 テクノやハウスの領域だけでなく、ヒップホップ/R&Bやロック、J-Popにまで、もはや音楽の世界では〈エレクトロ〉の標準装備があたりまえのご時勢だ。とはいうものの、主流とみなされて騒がれてきたのは、ラウドでノイジーというロッキンな部分に照準を合わせたパンキッシュ・ハウスやテクノ。なんだか5~6年前のディスコ・パンクとエレクトロクラッシュ~エレクトロ・ハウスの関係と似ている。確かにその手の音を作るアーティストも多いし、はっちゃけた音や派手なパフォーマンスがメディアやリスナーにウケが良かったのも事実。でも、エレクトロってそれだけじゃない。そんな偏った風潮を感じ取ったのか定かではないけど、主流派をそっといなすようにシーン内部では変化の兆しが見えつつあるのだ。

 それは80kidzのレーベル・コンピや今回の新作をはじめ、ユクセク、A・トラック、クレイジー・ボールドヘッドらの近作に共通するヒップホップの要素。彼らの作品では、ビートの端々にその旨味が活かされている。イノヴェイティヴなヒップホップをシーンに送り込んできたビッグ・ダダから、エレクトロを滋養としたサンダーハイストやイクスラビット+ダメージド・グッズらがリンクしてきたのも偶然じゃなさそうだ。

 一方、エレクトロ・サウンドの御大、DJヘルも動き出した。自身の最新アルバムでは煌びやかなエレクトロの魅力を発揮しつつも、ストイックなテクノ・トラックを数多く披露。また、主宰するジゴロの最新コンピ〈CD Eleven〉にもフロア向けのディープなトラックが目白押しで、ヒップホップと共にこちらの影響からも今後は目が離せないのだ!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年05月07日 16:00

更新: 2009年05月07日 17:27

ソース: 『bounce』 309号(2009/4/25)

文/青木 正之