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インタビュー

Spank Rock(3)

ヨーヨーヨーヨーヨー!!!!!

 そんなナイームが、高校時代に地元ボルティモアで知り合ったというのがXXXだ。『Yoyoyoyoyo』のビートをほとんど手掛けている彼のオタク性は相当なもので、実際に彼とクリス・ロックスウェルが共作して昨年末に流通したメガミックス盤では、クラッシュ、リキッド・リキッド、ラ・パンプルムース、カジミアなどなど……新旧の雑多な音楽をブレンドして、その才気を覗かせていた。彼がスパンク・ロックに本格合流したのはここ1年半くらいとのことだが、彼のビートとナイームのMCは抜群に相性が良く、グルーヴとユーモアを愛する人ならば間違いなくファンになってしまうだろう。そのサウンドは、出身地ゆえにオリジナル〈ボルティモア・ブレイクス〉だと勘違いされることも多いが、実際に『Yoyoyoyoyo』に放たれている多彩なビートは……。

「正直、ボルティモア・ブレイクスではないよね。何曲かはそれに影響されているものもあるけど、むしろ俺自身のいろんな音楽経験が12曲に凝縮された感じだと思う。ダンス・ミュージックからパンクからオールディーズまでね。スパンク・ロックのサウンドの呼び名? う~ん、わかんないけど、〈サイケデリック・エレクトロニック・サウンド〉かなぁ(笑)」(XXX)。

 アルバムの成分は、2ライヴ・クルーからティンバランドまで、ゲットー・ハウスからボルティモア・ブレイクスまで、つまり古今東西の変態ベース・サウンドを集めてよりダーティーにしたような、実にユニークなベース・サウンドだ。そんな彼らは最近、UKのグライム女性MCであるレディ・ソヴェリンのリミックスも手掛けたそうだが、グライムについては「大好きだね! あれはボルティモアのグルーヴよりも、ダーティー・サウスの音に近いよ。すごく速いところとかが、ダーティー・サウスのハーフ・セット・スピードと似たような音だと思う。俺たちはその中間って感じかな」(XXX)なんて比較分析も披露してくれた。

 そのほかにも、ボルティモアのオリジネイターであるDJスコッティBも出演したという彼らのパーティー〈ボルティモア・ベース・クルー〉の話など興味深い話題が続出。彼らはパフォーマンスでのキレっぷりも凄まじいという(ライヴではDJのロニー・ダーコなどが加わった4人体制となるようだ)。幸運にも彼らは4月上旬に忍者軍団と共に来日する予定なので、彼らのベース・サウンドに貴方の腰……もといケツがウズウズしてきたら、その揺れを見せびらかしにライヴへ駆けつけたほうが良さそうだ!!
▼関連作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年04月06日 13:00

更新: 2006年04月06日 21:59

ソース: 『bounce』 274号(2006/3/25)

文/リョウ 原田

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