『エリザベート王妃国際音楽コンクール2025 ピアノ部門』4枚組 2025年7月17日日本先行発売~久末航が2位、亀井聖矢が5位!
Queen Elisabeth Competition公式YouTubeページより
『エリザベート王妃国際音楽コンクール2025 ピアノ部門』ライヴCD早くも登場!
輸入盤CD4枚組
久末航さんのブラームス:ピアノ協奏曲第2番を心から推薦します!
今年5月にベルギーのブリュッセルで開催されたエリザベート王妃国際コンクール・ピアノ部門で日本人過去最高の2位に入賞した久末航さんの決勝での演奏、ブラームスのピアノ協奏曲第2番。演奏を聴いてすごく感動しました。この作品は1881年(明治14年)の初演から、今日まで様々な名ピアニストによって演奏され、1925年のマイクを使った電気録音開発以降、数百種類もの演奏が録音されてきました。その中で久末さんの演奏の特徴は、
(1)テンポを急がず、悠然と弾いていること
(2)フレーズの仕上げが細やかで美しいこと
(3)全体としてスケール雄大で力強いこと
があげられます。
1点目、テンポを急がず悠然と弾いていること。これは緊張感を伴うコンクールの決勝、ともすれば技術の競い合い(スピードの上げ合い)になるコンクールの演奏としては異例なことです。久末さんは、コンクールの決勝で、大ピアニストが演奏会で弾くような演奏を示したのです。これは現地の批評でも驚きをもって報じられました。この演奏が、コンクール・ライヴというドキュメント性を超えて、ブラームスの優れた演奏として推奨できる第1のポイントです。
2点目、フレーズの仕上げが細やかで美しいこと。ブラームスはこの曲の楽譜に発想標語の「ドルチェ」をフレーズの始まりや終わりにたくさん書き込んでいます。ドルチェというと今やスイーツの同義語になっていますが、発想標語では「甘美に」「情緒豊かに」という意味になります。久末さんのドルチェの活かし方がテンポルバートや音色の変化を伴って大変美しいことに驚かされました。現代の演奏は、こうしたところがあっさりしがちか、あるいは大げさにやりがちなのですが、久末さんの演奏は表情豊かでいて、速すぎず、遅すぎず、戦前のブラームスに近い時代の演奏が甦ったかのよう。実際、全曲の演奏時間、49分30秒は、エリー・ナイとマックス・フィードラー(ブラームスの友人)による1940年録音、中欧の演奏伝統の担い手だったゲザ・アンダとフェレンツ・フリッチャイによる1960年録音とほぼ同じとなっています。
3点目、全体としてスケール雄大で力強いこと。悠然としたテンポと陰影深い表情づけが、ブラームスのこの作品の情景にぴったりで、さんざんクラシックを聴いてきた私にとっても初めてこの曲を聴いた日の感動がよみがえるような思いがありました。
この演奏、バックが大野和士指揮ブリュッセル・フィルハーモニックと超一流であるのも、コンクール離れした演奏になった要因となっています。また、この作品の聴き所の一つである、ピアノとオーケストラの奏者との掛け合いがとても美しく決まっていることも特筆されるでしょう。
(タワーレコード 商品統括部 板倉重雄)

日本先行発売!久末航、亀井聖矢が入賞のQEC2025
5月31日に閉幕したばかりの2025年のエリザベート王妃国際音楽コンクール・ピアノ部門、その入賞者による演奏を選りすぐったライヴ盤が早くも登場!
チャイコフスキー・コンクール、ショパン・コンクールと共に「世界三大コンクール」と呼ばれる同コンクールの(前身のイザイ・コンクール時代を含む)ピアノ部門の優勝者には、エミール・ギレリス(1938)、レオン・フライシャー(1952)、ウラディーミル・アシュケナージ(1956)、ヴァレリー・アファナシエフ(1972)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、フランク・ブラレイ(1991)、アンナ・ヴィニツカヤ(2007)、デニス・コジューヒン(2010)、ボリス・ギルトブルグ(2013)、ジョナタン・フルネル(2021)など、錚々たる顔ぶれが並びます。2021年には務川慧悟と阪田知樹が入賞して大きな話題となりました。
名門コンクールだけに参加者には国際コンクールの上位入賞者が並び、今回もきわめてハイ・レベルの演奏が続々。オランダ人として同コンクール初の第1位に輝いたニコラ・メーウセンは、難曲であるプロコフィエフの協奏曲第2番をはじめ、テクニックの切れと共演者を聴衆を惹きこむ力も圧巻でした。第2位は大津市出身の久末航。日本人としては1987年の若林顕に並ぶ歴代最高位です。ドイツを拠点に研鑽を積んできた成果を発揮して1次ラウンドから安定した完成度の高い演奏を披露し、最終ラウンドの最後に演奏したブラームスの協奏曲第2番は風格さえ感じさせる堂々たる出来栄えでした。ヴァレール・ビュルノンは開催国ベルギー出身者として歴代最高位に並ぶ第3位。聴衆賞も獲得しました。第5位に入った亀井聖矢の「ノルマの回想」は持ち前のテクニックとダイナミックで情熱的な表現に加えて、繊細で優美な歌心も聴かせて聴衆を魅了。動画配信では作品に没入しつつ演奏を楽しむ表情も見られて印象に残りました。
今回日本からは4人がファイナル・ラウンドの12人に選ばれましたが、セミファイナルとファイナルの課題曲の優れた演奏として吉見友貴と桑原志織の演奏が収録されたのも誇るべき記録です。ファイナル・ラウンドを通じて大野和士の指揮するブリュッセル・フィルがサポートを提供し続けたことも特筆すべきでしょう。
(ナクソス・ジャパン)

久末航さんが第2位、亀井聖矢さんが第5位入賞!
ベルギーのブリュッセルで開催されるエリザベート王妃国際コンクールは、チャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際ピアノコンクールと並ぶ、世界三大コンクールの一つと言われる若手音楽家の登竜門です。ピアノ部門、ヴァイオリン部門、チェロ部門、声楽部門が4年ごとに開かれますが、今年はピアノ部門が開催され、オーケストラをバックに協奏曲を演奏するファイナル12名に日本人ピアニストが4名進出したことで話題となっています。その4名とは、吉見友貴(2000年生)桑原志織(1995年生)亀井聖矢(2001年生)久末航(1994年生)。いずれもCDデビューをしていますので、ここにご紹介いたします。また、バックがベルギーで活躍する日本の名指揮者、大野和士指揮、ブリュッセル・フィルハーモニックということでも注目されます。
(タワーレコード)
ファイナル進出4名のCD
第2位 久末航さんの室内楽CD
大野和士&ブリュッセル・フィルのCD
ファイナルのスケジュールは以下の通り。
5月26日(月)20時15分(日本時間 5月27日(火)3時15分)
吉見友貴(日本、2000年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
Nathalia Milstein(フランス、1995年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83
5月27日(火)20時15分(日本時間 5月28日(水)3時15分)
Rachel Breen(アメリカ、1996年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
Valere Burnon(ベルギー、1998年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
5月28日(水)20時15分(日本時間 5月29日(木)3時15分)
Nikola Meeuwsen(オランダ、2002年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16
Sergey Tanin(ロシア、1995年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
5月29日(木)20時15分(日本時間 5月30日(金)3時15分)
Arthur Hinnewinkel(フランス、2000年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
Jiaxin Min(中国、1996年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
5月30日(金)20時15分(日本時間 5月31日(土)3時15分)
Shiori Kuwahara 桑原志織(日本、1995年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83
Mirabelle Kajenjeri(フランス、1998年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
5月31日(土)20時15分(日本時間 6月1日(日)3時15分)
Masaya Kamei 亀井聖矢(日本、2001年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
サン・サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 Op.103
Wataru Hisasue 久末航(日本、1994年生)
Kris Defoort:Music for the Heart(委嘱新曲課題)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83