カスタマーズボイス一覧

カンタービレ / 塚越慎子

素晴らしい作品だと思う。静と動。響くのにキレが良い。優雅なのに野蛮。「MI•YO•TA」の歌心と「想起」の暴力的なまでの通奏低音。これは良くある邦人奏者の単なる演奏集では無い。名盤である。マリンバという楽器の全てを見せてくれる。人間と楽器の関係がここまで親密な姿を見せた事があっただろうか。

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ドットさんが書いたカスタマーズボイス

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(全13件)

オーディオマニアにとって真の宝物になりうる作品だと思います。

アルバムとしての辻褄と聴き心地ではこのシリーズのナンバーワン。頭の三曲でもう買ってよかったなと。気軽に日本語ポップを聴きたい。それも良質の。という需要は充分に満たせる。しかしこれらの曲が「埋もれていた」とは日本人はなんて贅沢な音楽文化を持っているのだろう?櫛引彩香さん。凄い、参りました。

素晴らしい作品だと思う。静と動。響くのにキレが良い。優雅なのに野蛮。「MI•YO•TA」の歌心と「想起」の暴力的なまでの通奏低音。これは良くある邦人奏者の単なる演奏集では無い。名盤である。マリンバという楽器の全てを見せてくれる。人間と楽器の関係がここまで親密な姿を見せた事があっただろうか。

15年ほど前になるだろうか?徳間=キングレコードの「シャルプラッテン リマスターシリーズ」によってクラシック音楽の面白さ、多様性に気付かされた聴き手として、今回のシリーズ発売はとても嬉しく期待しています。ただのロックファンでしかなかった私が「猟奇的」「破壊的」なコピーから手に取ったケーゲル「幻想交響曲」。そう、あの衝撃と来たら...そして当時のプロデューサーであった清勝也氏の敬意に満ちた東ドイツ音楽家達への思い出話。加えてジャケットも高品位で非常に丹念な仕事でありました。スイトナー、レーグナー、ザンデルリンクといったエースに加え、フレーミヒ、ポンマー、コッホ、素晴らしいオルガニストのヨハネス・ケーラー。そして日本にとってもかけがえのない指揮者ブロムシュテットの若き日の演奏。どれもが私にとってクラシックを教えてくれた先生のような存在です。もちろんタワー、エテルナの再発SACDによって知った演奏(コンヴィチュニーのブル5!)も多いが、なぜかレーゼルのラフマニノフ等、先発のキングリマスターCDの方が凄みを感じる演奏もあるのは確か。これはC・ティッケル氏の好みだろうか?本題に入って当キングSACDと、既発タワーのハイブリッドSACDを聴き比べてみても、その姿勢の違いが明らかで面白い。音を分離させない「かたまり」「柔らか」なキングと、一つ一つの音を引き出すタワー&エテルナ。私は後者にオーディオ的面白味を感じて軍配を上げたいが、一枚でゆったりと聴けるキング版も捨てがたいし、好みという方も多数居られると思う。このように、どうも一筋縄ではいかないマスター問題も当シリーズのライナー(力作です)で解明されたら面白いなと期待。さらに四方山話で清先生も登場したら言うことなし。最後に、ヴェルニヴェローデ合唱団なんかSACD化すべき素材だと思いますよ。独自性と資料性の為に如何でしょうか?

Disc3のハイドン「チェロ協奏曲」は1番、2番共に一聴に値する名演だと思う。いい意味でソリストとしての気負いが全く無い、幸せな気持ちにさせる音楽だ。ふくよかで広がりもある、バックのオケは初めて聞く名前かも知れない。でも凄くいい演奏だ。音質も良好。私は生涯この作品を忘れないだろうと思う。

もし、コロナウイルスの猛威を振るった2020年のサウンドトラックを選ぶとしたら、やはりこの一枚が相応しいのではと思う。あの時、どれだけ多くの人がこの音楽(とゲームに)身を委ねた事だろう?夜明けを待つ午前4時。虫取りに明け暮れた午後。確かにこの音楽たちはあの時の空気をも内包する力がある。

ひたすらに無私を貫いた音楽はかくも美しい。このCDを聴き終わっての第一印象だ。聴くという行為に潜む好奇心、熱心なリスナー程おおきくなる気構え、言葉を変えればエゴとも言えるのかな。の隙間を縫ってこの音楽達はひたすらに美しく響く。かくも最高のナチュラルサウンドが日本にあったのだ。おそらく「情」ではなく「想」の音楽。きっと多くの人にイマジネーションを与えるのはこのように普遍的な美なのだろう。どうか多くの聴き手に愛される事を願う。そしてイチ聴き手のエゴとしては第二弾、第三弾とリリースしてくれたら嬉しい。その時はあの最高のアンビエントとも言うべき「夏の妹」も是非。

まず結論から言うとオケも歌手も素晴らしい。特に3幕のドラマティックな掛け合いはSACD無くしては聴けないモノだと思う。2幕のコミカルな街風景もまるで映像が見えてくるかのようだ。指揮者レヴァインも不本意な晩年だったであろうが(自責があったにせよ)やはり彼の持つダイナミクスは永遠の価値があったと再認識させられる。歌手陣もあくまでも過剰な演技はせず、自然体で好ましい。終幕の静けさと無情さはこのようにあるべき、という見本だろう。
歌詞対訳付きで(すごく重要)録音も良好。空間表現もかなり良い。オーディオのオペラ再生入門としてもどうぞ

円熟を迎えつつあったメニューインの余りにも気高い演奏と、静かに、それでなお確かに寄り添うケンペとベルリンフィルの組み合わせ。若輩者の私は「ヴァイオリン協奏曲」第二楽章の美しさに惹かれたが、激しく揺れ動く心理を描いたような辛口の第一楽章を好むベテランのクラシックファンも多いと思う。アルバン・ベルクを経たブラームスとも言うべきか?しかし第三楽章では晴れやかな音色で音楽に救いを見せる。
ライナーノーツでもあったようにユダヤ人であるメニューインがまだ戦後の足跡を残したベルリンに出向いて演奏する。それ自体が一つの信念を持った冒険であったのだろう。大きな野心と気構えで臨んだ演奏である事は間違いない。そしてそこにはフルトヴェングラーではなく、柔軟なケンペがいた事は彼にとって(また今日聴く側の私達にとっても)大きなプラスに働いたのではないかと思える。
SACDの音質も第一楽章こそヴァイオリンの定位が若干甘くなる面が有るものの、第二、第三楽章は当時のマスターそのものと思える深々とした音場。また余白の「ハイドンの主題による変奏曲」はモノラルながらも当ディスクの最後を締めくくるエピローグとして素晴らしい内容。ハイエンド機器に相応しい数少ないモノラル音源としても貴重なものだと思う。あまり話題にならないが、隠れた名品としてオススメの一枚。

もう何も言う事はない。オペラを聴く楽しみ、モーツァルトを聴く楽しみ、共にこの演奏に尽きる。毒が入っているのでは?と疑われるほどの美しさ。歌手陣はアダム、シュライヤーと言ったお馴染みの名手たちが居るものの、ヘレン・ドナートの歌唱もまた素晴らしい。スウィトナーの幾分フェミニン(に感じる)演奏スタイルを思えば相性も当然な気もするが、タイトル「パミーナ」にしても違和感無いくらいハマっているんだな。ともかく録音芸術のエバーグリーンとされているのも納得な名盤です。

東独クラシック界の忘れられた巨匠。ブルックナーの名手。ハズレの少ない器用なカペルマイスター。心あるクラシックファンにとって少なくない名盤を与え続けてくれたレーグナー。その晩年は活躍の機会も少なくなり、最愛の妻にも先立たれ寂しい晩年であった。との伝聞を真に受けていた身にとって、今回の発掘音源はその印象を覆すに足る充実した内容であった。最晩年に録音されたメンデルスゾーンとベートーヴェン第六が収録されたディスク1。ゆったりとした流れにして、彼らしいチャーミングさもあるが、ハッとするようなティンパニの強打で音楽を締める「静かな海と楽しい航海」。しかし白眉はやはりベートーヴェンの第六番。精密にして、全ての音を見渡せるような明瞭で抒情味のある音世界は彼らしくもあり、また近年ではどうも失われてしまった「田園」の素朴さを教えてくれているようで貴重な演奏。またレーガーのモーツァルト変奏曲ではあたかもバッハを思わせる荘厳さ。
ブックレット(日本語も有ればなお良かったが)には音楽を愛した「普通」の人レーグナーの素顔が垣間見れ、彼の音楽の壮大さとのギャップに少し驚くが、彼は本当に音楽に自分を捧げたのだろう。その人生の晩年はこのような成果となって我々の耳に届けてくれた。普通の人レーグナーはやはり偉大であったのだ。

フィビヒの「シャールカ」だけでも買う価値あり。「乙女戦争」を題材としているだけあって、ここまで女声陣が生き生きと多彩に、力強く歌うオペラはあまり無いのではないか?序盤のスリリングな展開で聴かせるメゾソプラノのソロ。後半でのシチリドとシャールカの合唱(しかしやはりソプラノのシャールカに軍配が上がる)など、聴かせどころは枚挙に暇がない。フィビヒという作家はあまり知らなかったが、熱心なワグネリアンではあったようだ。そしてその意気込みはこの作品で大きな成功を収めていると思う。別の方がレビューされている通り、オペラファンなら手に入れて損は無し。そして指揮は本邦でも最近その名が知れ渡ってきたシルヴァン・カンブルラン。現代曲も得意とする彼だけあってオケの統率も申し分ない。特に弦楽器の「ピン」と張った美しさはやはり彼の振るラッヘンマン作品でもよく聴かせるものだ。悪いはずがない。どうかこの作品を日本でも取り上げて欲しいなあ

このBOXセットにワーグナー?と聴く前は疑問符がありましたが「トリスタン」のあまりの美しさにやられました。この曲は少し難しいと避けておられた方、是非一聴をオススメします。内から湧き上がってくるような、でも「リラックス」して聴けるとはまた違う、最良の音楽の魔法のような世界がここにあります。

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