自らプロデュースした久々のスタンダード集。ミュージカル・ナンバー、ボサ・ノヴァからブルースまで全てをカサンドラ・ワールドに染め上げた逸品。ロニー・プラキシコ、ハーリン・ライリーら旧知のメンバーに、録音では初共演のジェイソン・モランが加わる。ニコラス・ペイトンがゲスト参加。グラミー賞受賞作。
<パーソネル> カサンドラ・ウィルソン(vo) ニコラス・ペイトン(tp) マーヴィン・スーウェル(g) ジェイソン・モラン(p) ロニー・プラキシコ、レジナルド・ヴィール(b) ハーリン・ライリー(ds) レカン・ババロラ(per) ロンダ・リッチモンド(back-vo)
★2007年8月13日~17日、ミシシッピ州ジャクソンにて録音
Blue Note
発売・販売元 提供資料(2022/08/22)
打ち込みを大胆に導入するなど、新たなアプローチを試みた『Thunderbird』から約2年、〈スタンダード・ナンバーに立ち戻った〉と本人が語るように、コンパクトな編成で〈風と共に去りぬ〉〈黒いオルフェ〉などを披露したカヴァー・アルバムが完成。原曲の持つメロディーの輝きを大切にしながらも、“Caravan”や“Arere”でのパーカッションが織り成すポリリズムが、呪術的な雰囲気を醸し出す。〈黒さ〉と〈ストレンジ感〉が絶妙にブレンドされたそのアンサンブルはMベース派出身の彼女ならではといったところか。深海を漂うかの如くゆったりとしたその声は、歌い継がれてきたスタンダードの数々を一瞬のうちに彼女の世界に変えてしまう。そんな魔力を持つシンガーはそういない。
bounce (C)高木 雄一郎
タワーレコード(2008年07月号掲載 (P118))