メンバーズレビュー一覧

ブルックナー:交響曲第5番 / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、他

綿密に構築された見事な演奏。この曲に対するヴァントの思い入れの深さが感じられる名演。
彼は用意周到、ベルリンフィルを統率し、楽曲に強かなアプローチを見せている。楽団員達がヴァントに心酔している様が、ひしひしと伝わってくる。
類稀な集中度でブルックナーの音楽が朗々と充実して鳴り響く、ベルリンフィルの性能が豊かな音楽性に結実した幸福な時間。

0

商品詳細へ戻る

神田須田町さんが書いたメンバーズレビュー

  • 1

(全13件)

Mahler: Symphonie Nr. 6 a-moll

BONGARTZ/LEIPZIG RSO、他

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

複雑なテクスチュアの細部まで神経を通わせつつ、テンポや音量のコントロールが見事に決まっています。
考え抜かれたドラマが粛々と進行するマーラー。殊更、力瘤を入れたところがありません。しかし、ここぞという場面では、エネルギーを思い切って炸裂させるのです。
アルマの主題がこれほどに深く、訴えを持って高らかに歌われた演奏を他に知りません。もう、ここを聴くだけで、居ても立ってもいられなくなります!

0

音楽にこれほどまでの感情移入が可能であったとは・・・。慈愛に満ちた第1楽章・第2主題を聴くと涙が出て止まらない。人の生き方すら変える力を持つ素晴らしい音楽、それがシューリヒトの再現芸術。

1

1994.7.24盤は透徹した意思力が尋常ではなく、それが終始貫徹する驚異的演奏だった。当盤は昔のジャンジャン盤を彷彿とする熱気や推進力が垣間見られ、ところどころ一種の自然体な凄みが増している。しかし・・・アンサンブルの乱れが散見されることは気にしないとしても、手綱が緩んだのか、表現上もやや集中度が後退しているように感じる。

0

ブルックナー:交響曲 第8番

朝比奈隆

4:
☆☆☆☆☆
★★★★★

大フィルとの1994.7.24盤は透徹した意思力が尋常ではなく、それが終始貫徹する驚異的演奏だった。当盤はオケがN響ということで大いに期待して聴いてみたが、残念ながら大フィルとの演奏を超え得るものではなかった。オケがうまければ、感銘が深いという訳ではないようだ。技術はあるが、表現が付け焼刃的なのかもしれない。

0

同曲ではシューリヒト/ウィーン乃至バイエルン、ヴァント/ミュンヘンが特に印象に残りますが、一見、無骨でありながら厳しく温かい、このマタチッチの演奏も忘れ難いものです。

0

第3もそうだがこの指揮者のブルックナーは、とりわけ晴朗さに心を奪われる。フォーレのレクィエム等の演奏で名高いナディア・ブーランジェ女史の弟子ということもあってか、楽曲を見つめる姿勢に一種の静謐さが感じられる。和音の取扱いもどこかミサ曲のようだ。若い息吹を孕んだ温かなブルックナーが響く。


0

シューリヒトが振ると、背後の静けさが明らかに他の演奏と違う・・・静寂の中に光る響き・・・音楽が生きて語りかける。
楽想表現は常に立体的で、均整の取れたバランス感が素晴らしい。間の取り方が絶妙で、休符にも重要な意味があることを実感させる。フランス国立を振った9番の演奏はあたかもベートーヴェンが乗り移ったかのような鬼気迫る超名演だが、このパリ音楽院の演奏も是非持っておきたい一つ。

0

ベルリンフィルとの5番の素晴らしさを目の当たりにして、期待の9番でしたが・・・。
9番は残念ながらベルリンフィルではなく、ミュンヘンフィルとの演奏が圧倒的名演かと・・・畏怖を感じます・・・断崖絶壁から深い淵を覗き込んだような、恐ろしい程の透明度。

0

アンチ・カラヤンの私としては心苦しいのだが、このシベリウスは素晴らしい。エールリンク、ハンニカイネンより頭で考えた感じがしないでもないが、名門ベルリンフィルを率いて思うがままの表現に間然としたところがないのは立派。カラヤンの心情吐露だろうか・・・?特に7番と5番がお薦め。

0

ベートーヴェンが頭の中に想い描いた、その世界がここにある。音楽が生きて燃え上がる・・・聴いた後もまだ信じられないような鬼気迫る超名演。フルトヴェングラー・フリークも是非お聴き下さい。

0

マーラーの語法が実に見事に表現されている。ベルティーニ、レーグナー、ラトル、バーンスタイン、ショルティ、バルビローリ、ミトロプーロス等も様々のアプローチで挑んでいるが、当盤が最も完成度が高く揺るぎないものを持っている様に感じられる。表現は一見地味だが細部に至るまで彫琢されており、深く且つ俊敏である。楽想・各声部が立体的に立ち上がり、真に交響的に鳴り響く様は圧倒的だ。

0

綿密に構築された見事な演奏。この曲に対するヴァントの思い入れの深さが感じられる名演。
彼は用意周到、ベルリンフィルを統率し、楽曲に強かなアプローチを見せている。楽団員達がヴァントに心酔している様が、ひしひしと伝わってくる。
類稀な集中度でブルックナーの音楽が朗々と充実して鳴り響く、ベルリンフィルの性能が豊かな音楽性に結実した幸福な時間。

0

この曲を愛する者にとって、かけがえのない一枚。
シューリヒト/ウィーン、チェリビダッケ/ミュンヘン、クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・ウィーンと名演が目白押しの中、朝比奈の当1994.7.24盤は透徹した意思力が尋常ではなく、それが終始貫徹する驚異的演奏。朝比奈の同曲演奏の中でも、最も素晴らしいものと思われる。N響盤はオケがうまいが、この大フィル盤の方が深い感銘を受ける。

0
  • 1

(全13件)