先代2ndVnのアクセル・シャハーは目立たないが個人的には好きなヴァイオリニストだっただけに、交代してしまいどうなるのか不安があった。テレビで放映されたエベーヌQとのメンデルスゾーン八重奏曲では最終楽章で突撃しようとするベルチャ様を新メンバーのカン・スヨンが笑顔でなだめるような場面もあり(「しょうがないなあ、もう」という感じだったのかも)、まあ、しばらくかかるかなとも思えた。本盤のドビュッシーはスヨンの柔らかさが出た感じで、ベルチャQとしては結構ソフトな演奏。今までのベルチャ様と一緒に突撃しながら微妙に手綱を引いて微修正するシャハーのやり方ならもっとシャープな演奏になったようにも思う。シマノフスキの2曲は旧メンバーの最終形態。素晴らしい。やっぱり個人的には、聴き慣れたこの硬質感が好きだ。ベルチャQのこのハードさが今後和らぐのであれば残念。