素晴らしいモーツァルトだ。ワルター、ギーゼキング、ハスキル亡き後、その天才を描き得る数少ない音楽家と言ってよいのではないか?
いわゆる世評の高い指揮者にカール・ベーム先生がいらっしゃるが、ベームの全盛期は60年代まで。その時期に収録した全集は、ウィーンではなくベルリンを振ってのものだった。面白いことに、シューベルトもブラームスもそうだった。70年代にウィーン・フィルと再録音したものは、立派ではあっても、心踊る音楽とは言えない。
その点、スウィトナーは、瑞々しく、活力に溢れ、ワクワクするような音楽を奏でる。
私にとって、理想のモーツァルト演奏は、スウィトナー/シュターツカペレ・ドレスデンと、ケルテス/ウィーン・フィルということになる。幸いなことに、いずれも、タワーレコードの復刻盤として入手できる。とりわけSACD仕様のスウィトナー盤は必聴だ。