オーボエのレフラーを中心にソロソナタ、トリオソナタ、四重奏曲、室内協奏曲とバリエーション豊かな作品が演奏されている。ソロソナタ以外の作品では管楽器のみだったり、弦楽器と管楽器の組合せだったりと様々な響きを楽しむことが出来る。ヴィヴァルディやテレマンと言った有名な作曲家の作品の他に、バッハやテレマンと同時代の作曲家で近年再評価が著しいファッシュや宗教作品が高い評価を受けていて、レクイエムを作曲する際に通常では考えられない調性のハ長調を選択したハッセの作品も収録されている。作者不詳の変ロ長調の協奏曲の第1楽章の主題は分かり易く、明瞭でありレフラーがこの作品を収録した理由が分かるような気がする。
録音はアクセントらしい残響をたっぷりと取り入れたソフトな響きだが、もやもやした状態にはならない。長年多数の録音手がけたレーベルと名手達のバランス感覚の賜物のように思える。