メンバーズレビュー一覧

放送録音集成 第1集 ライヴ・イン・ベルリン 1953~1969 / ヘルベルト・フォン・カラヤン、他

カラヤンBPOの放送用ライブ演奏で、ほとんどが正規の初出音源となれば、もう購入しないわけにはいきません。24枚組なので聴き通すのに時間がかかり、まだDisc 8までしか聴けていませんが、ライブならではの自然な流れと感興の高まりが感じ取れ、とても満足しながら聴いています。1961年のブラームスの交響曲第4番など、たいへんな熱演で、終楽章はカラヤンのうなり声まで聞こえます。購入してよかったです。気になる音質ですが、モノラル録音でも聴きやすく整えられており、1957年のプロコフィエフの交響曲第5番など、バスドラムの低音もしっかりと入っており、驚きました

なお、オーディエンスノイズや拍手は徹底的に取り除かれています。Disc 6の「グールドとのベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とシベリウスの交響曲第5番」はSONY CLASSICALからも発売されていますが(日付が異なる別演奏?)、SONY CLASSICAL盤はオーディエンスノイズや拍手がそのまま残されており、またシベリウスの第3楽章の冒頭を聴き比べると、今回のBPHR盤よりもSONY CLASSICAL盤の方が細かい弦楽の動きが聴き取り易い気もしますし、音の加工が気になる、という方がおられるかも知れません。とはいえ今回のBPHR盤が大変貴重なリリースであることは間違いなく、引き続き企画されているという70年代・80年代のライブ録音の発売が待ち遠しい限りです

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コンサート大好きさんが書いたメンバーズレビュー

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再発される度に購入しているロストロポーヴィチの名盤、今回、マスターテープまで遡って新規にリマスターしたということで、到着するのが楽しみで仕方なく、届いたその日に、一気に聴きました。今回の音質の改善は目覚ましく、ヴァイオリンの艶やかな音質、木管群の音の粒立ち、チェロからコントラバスに至る中低音域の量感、スピーカーの下から這うように響くグランカッサなど、最近の録音でも、このレベルに達している音盤は少ないのでは、と思います。2000年以前は「旧EMIの録音は今一つ」と思っていましたが、ハイレゾ時代を迎え、こちらの再生環境も変化し、EMIの録音の良さが理解できるようになりました。今回のリマスターは、上々の仕上がりだと思います

演奏についてですが、音質の改善により、例えば交響曲第3番の第3楽章の中間部の盛り上がりや、フランチェスカ・ダ・リミニの中間部のチェロのモノローグなど、ロストロポーヴィチ自身がトウッティに混ざって弾いているのでは、と錯覚するほどの没入ぶりで、この部分を聴くだけでも、買い直して良かった!と思いました。交響曲第2番の大詰めの音量の増減など、あまり効果的とも思えませんが、やらずにはおられない、という気持が伝わってきます。またティンパニが至る所で楽譜を改変して叩いていますが、弦楽合奏の響きが改善しているので、全体の響きに溶け込んで、まあこれなら…と思えるようになりました

最後にパッケージ仕様ですが、昔から親しんでいる4枚組サイズのジュケルケースに、目一杯、6枚のSACDを詰め込んでいます。交響曲の途中でSACDを入れ替えることもなく、通して聴けるように、ゆとりをもって収録されています。音質・演奏・収納と、文句のつけようのない復刻です。CD層も素晴らしいですが、是非ともSACDで体感していただければ、と思います

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カラヤンBPOの放送用ライブ演奏で、ほとんどが正規の初出音源となれば、もう購入しないわけにはいきません。24枚組なので聴き通すのに時間がかかり、まだDisc 8までしか聴けていませんが、ライブならではの自然な流れと感興の高まりが感じ取れ、とても満足しながら聴いています。1961年のブラームスの交響曲第4番など、たいへんな熱演で、終楽章はカラヤンのうなり声まで聞こえます。購入してよかったです。気になる音質ですが、モノラル録音でも聴きやすく整えられており、1957年のプロコフィエフの交響曲第5番など、バスドラムの低音もしっかりと入っており、驚きました

なお、オーディエンスノイズや拍手は徹底的に取り除かれています。Disc 6の「グールドとのベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とシベリウスの交響曲第5番」はSONY CLASSICALからも発売されていますが(日付が異なる別演奏?)、SONY CLASSICAL盤はオーディエンスノイズや拍手がそのまま残されており、またシベリウスの第3楽章の冒頭を聴き比べると、今回のBPHR盤よりもSONY CLASSICAL盤の方が細かい弦楽の動きが聴き取り易い気もしますし、音の加工が気になる、という方がおられるかも知れません。とはいえ今回のBPHR盤が大変貴重なリリースであることは間違いなく、引き続き企画されているという70年代・80年代のライブ録音の発売が待ち遠しい限りです

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初発時に購入して以来、熱狂して聴き続けてきたムーティのローマ三部作!これまでに何度聞いたか分からないぐらいの愛聴盤で、とくにローマの松の「ジャニコロの松」と、ローマの祭の「主顕祭」は、オーディオ機器の試聴に際しても必ず持ち歩く、なくてはならない一枚でした

今回の復刻で、最新の技術でどこまで音質が改善されるのか、大いなる期待を込めてSACD層を聴きましたが、期待以上の出来映えで、驚きました。初発時のCDでは「団子状態」としか言い様のなかった「主顕祭」でも、ソロ楽器の音色と粒立ち、木管と金管の分離、弦楽器の厚みと深い音色、舞台の奥行きなど、よくぞここまで、と感激しながら聴きました。誰が何と言おうと、私は今回のSACDの復刻を、熱烈に支持します。復刻していただき、本当にありがとうございます

CD層ももちろんよいのですが、空間の拡がりはSACD層のほうが優っていると感じます。是非ともSACDで聴いていただければと思います。タワーレコードさんも、この調子で、ラヴェルの「ボレロ」や、マーラーの「巨人」、それから個人的にはムーティ&フィラデルフィア管の最高傑作のリストの「ファウスト交響曲」も、是非ともSACD化していただければ、と思います。よろしくお願いいたします

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1990年のデジタル録音をSACD化する意味があるのだろうか、と思いながら購入したのですが、かなり音質は改善されています。手元にある「悲愴」の2000年の再発盤(PCCL-00504)と第3楽章と第4楽章を聴き比べてみましたが、(1)音の響きが整理されて聞きやすくなった、SACDと比べるとCDはベールがかかったようで、全体の響きに埋もれていたビオラの音がSACDではっきりと聞こえる、(2)CDでは2本のスピーカーの間に狭く展開していた音場が、左右に拡がって聞こえる、ホルンの定位も改善している、(3)強奏部に余裕がある、グランカッサの強打も余裕をもって響く、第4楽章の中間部の盛り上がりの指揮者のうめき声もはっきり聞こえる、などの感想を持ちました。映像に例えれば、昔のDVDから新規にリマスターされたBlu-rayぐらい違います。最新のDSD録音のように部屋一杯に響きが拡がるようなことはありませんが、朝比奈ファンであれば、買って損はない良心的なリマスターだと思います

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