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ベートーヴェン: 弦楽四重奏曲全集
アルバン・ベルク四重奏団
演奏自体はもう皆さんご存知なので、今更私ふぜいが言うことはない。手持ちが 2,000年以前の国内盤で、悪名高いハイ上がりのキンキン音だったので、安かったし、音の向上を期待して買い替えた。さすがに「2回位はリマスターされている筈」とふんだのだが、「こんなもん?」とがっかりする程しか改善してない。低域が豊かになり、中域も若干ふくよかになったが、高域はキツいままで、全体の印象は大して変わらず、心地よい音とはとても言えない。省スペースになった事を喜び、微々たる音の改善で満足する他ないようだ。
ヨウラ・ギュラーの芸術 1895-1980<タワーレコード限定>
ヨウラ・ギュラー
これは凄い演奏だ。一生の宝物だ。最初の数秒で何かが違う、天国から響いて来る様な・・・高貴さに打たれる。迷っている方は廃盤になる前に買っておかれることをお勧めする(私は Nimbus は明日倒産しても驚かない)。ポンコツ録音の Nimbus なりに、精一杯頑張った音がするのもうれしい。
ショパン: ピアノ作品集<タワーレコード限定>
ヴラド・ペルルミュテール
蜃気楼か、陽炎の様にモワつく Nimbus の音がリマスターでどうなったか?が最大の関心だった。残響の多い体育館で遠目で聴いているような音だ。タッチが分からないし、演奏の意図もボヤケてしまう印象が拭えないのが残念でたまらない。Decca あたりで録音して欲しかったなぁ。結論から言えば、雰囲気は旧盤の方があるが、どちらを聴くかと言われれば、リフレッシュした新盤の方かなぁ。演奏は、一言で言えば 「長生きをした Chopin 」だ。若さの持つ情熱や熱気、苦悩や悲しみといったロマンティシズムを昇華した、淡く透明なサラリとした風合いの Chopin 。もっと刺激が欲しくなるが、これがペルルミュテールの味だから、これを認めるか否かが評価の分かれ目になる。重い Chopin にモタレた時の清涼剤にはなる、唯一無二の個性的な演奏だ。
ラヴェル: ピアノ作品集(組曲「マ・メール・ロワ」付)<タワーレコード限定>
ヴラド・ペルルミュテール、他
大好きなペルルミュテールだから、25年も Remster されなかったこのCDを買い直したが、旧盤は処分できそうもない・・・元が、極端な雰囲気重視で「モコモコ、ボワボワ」にふやけた録音なので、折角 Remaster しても活きないのだ。直接音を毛嫌いして間接音と残響だけの音だから、タッチが粒立ってこない・・・という欠点を修正しようとしたのか、一生懸命明瞭度を上げようとしているが、元から無いものを付け足すことはできないし、唯一のとりえの「蜃気楼のように香り立つ音の瑞々しさ」も消し飛んでしまった。物理的な音の quality は上がったが、つまらない音になってしまったのだ。どちらを聴くかと問われれば、旧盤の方を選ぶかな・・・Chopin と Faure も買い直すつもりだったのだが、どうしたものか・・・と、投稿してから、何度も聴き直して考え方を改めた。やはり25年という年月の機材の進歩は偉大なのだ。音の clarity が上がっているので、最初は「素っ気ない」印象なのだが、聴きこむうちに耳が音の純度に降参してしまう。旧盤ではムードに流されて聴いていたものが、より構造的、構成的に聴くようになったのも驚きだ。Ravel に構造があるのか?「そりゃ、あるだろう」と叱られそうだが、私は Frank 、サンサーンス位しかフランス音楽に構造を持ち込むことはなかったのだ。たかが「音」だけで?と思うが、音楽においてやはり音は決定的な力を持つのだ。というわけで、今後は両方所有して聴き分けて行こうと思う。
ボベスコ名演集~ベートーヴェン, モーツァルト, 小品集, 他<タワーレコード限定>
ローラ・ボベスコ、他
私の持っている Philips 盤より一聴して良い音に生まれ変わっており、大満足。
フランク, フォーレ, ドビュッシー: ヴァイオリン・ソナタ集<タワーレコード限定>
Philips で出ていた旧盤からの買い替え。当盤も出てから10年経つが、未だにどこからも Remaster される様子はないので諦めて購入。Disital 録音でも remaster されると音は改善されるので、ある程度古くなった愛聴盤は買い替えることになるが、Disital 初期の陰翳感の乏しい「のっぺり・キンキン」した平板な音から、ニュアンス豊かで太く芯のある音になっていて十分に満足だ。ファンなら買っても損はないと思う。
ミシェル・オークレールの芸術 - ヴァイオリン協奏曲 - モーツァルト, メンデルスゾーン, チャイコフスキー, ブラームス<タワーレコード限定>
ミシェル・オークレール
実に瑞々しい心が洗われるようなヴァイオリンの響きに魅せられる。繊細で細やかな神経が隅々まで行き届いているが、決して弱々しくはなくピンと張り詰めた緊張感が漲っていて凛々しいことこの上ない。素晴らしいヴァイオリニストだ。昔から日本では一部の愛好家に熱烈に支持されてきたのも当然だ。タワーレコードの復刻努力には大感謝。ヴァイオリンが好きな方は是非聴いてください。絶対お宝になりますから!
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