メンバーズレビュー一覧

シベリウス: 交響曲全集・管弦楽曲集<タワーレコード限定> / コリン・デイヴィス、他

デイヴィスのシベリウス全集は3つとも聴いてきました。そのうち最も特徴が無い、もっと言えば平凡だと思っていたのがこのボストン響盤。ところが、タワレコ版SACDを聴いて印象がだいぶ変わりました。基本的にはオーケストラの機能性を生かして繊細かつ幽玄なシベリウスの世界を描きつつも、ここぞという場面ではアンサンブルの乱れも厭わずに鬼気迫る表情を見せる。そのバランスが全編にわたって高度に保たれていると感じられます。
★4に留めたのは管弦楽曲集の一部に難があるため。「悲しきワルツ」後半のクライマックス部がモノラル録音のような貧相な音になっていたり、「カレリア」第1曲の録音レベルがかなり低いうえに楽器間のバランスもどこか不自然だったり。原盤劣化に起因するものなら仕方ありませんが・・・

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z9999さんが書いたメンバーズレビュー

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(全8件)

2012年発売のSACDハイブリッド盤(EMI)を所有していますが、音質が改善されているとの評判を聞いて購入しました。綿密な比較をしたわけではありませんが、音の明瞭度、立体感、華やかさ等の向上を実感できました。加えてスリップケース入りハードカバー型デジパックの重厚感。シリアルナンバー付きという粋なオマケ。愛着あるディスクがこのような形で継承されたことを大変うれしく思います。
文句無しの満点を付けたいところですが、小さな元画像を引き伸ばしデジタル処理で無理やり輪郭を整えたかのような粗いジャケット写真がどうしても気になり、星4つに留めました。レタリングは滲み、下地部分はノイズに覆われており、せっかくの仏盤LPオリジナルジャケットが痛々しい限りです。Definition Series でこういった例はほかに無いと思いますが・・・なぜこうなってしまったのでしょうか。

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デイヴィスのシベリウス全集は3つとも聴いてきました。そのうち最も特徴が無い、もっと言えば平凡だと思っていたのがこのボストン響盤。ところが、タワレコ版SACDを聴いて印象がだいぶ変わりました。基本的にはオーケストラの機能性を生かして繊細かつ幽玄なシベリウスの世界を描きつつも、ここぞという場面ではアンサンブルの乱れも厭わずに鬼気迫る表情を見せる。そのバランスが全編にわたって高度に保たれていると感じられます。
★4に留めたのは管弦楽曲集の一部に難があるため。「悲しきワルツ」後半のクライマックス部がモノラル録音のような貧相な音になっていたり、「カレリア」第1曲の録音レベルがかなり低いうえに楽器間のバランスもどこか不自然だったり。原盤劣化に起因するものなら仕方ありませんが・・・

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1980年代の発売当初から絶賛の嵐だったムーティ盤。当時私は初期国内盤CDで聴きましたが、音量をかなり上げても壁の向こうから音が聴こえてくるような迫力の無い録音にがっかり。
このタワレコ版SACDもコメント欄は絶賛に次ぐ絶賛。懲りない私は騙されたつもりで、でもちょっとだけ期待しつつ購入・・・ただただ驚愕するばかりでした。「松」冒頭の眩いばかりの音響に一発で引き込まれ、「祭り」のフィナーレでは年甲斐もなく鳥肌が立つほどのハイテンションに。40年前の初期CDとは音のクオリティが違い過ぎて、同じ演奏とは思えないくらいです。ようやく3部作全てに満足のゆくディスクに巡りあえました。

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独自のスコア改変は非常に興味深いと感じつつも、SACD黎明期のシングルレイヤー盤の乾いた響きにがっかりしてずっと遠ざかっていたセルのシューマン全集。遅ればせながらこの「令和版」SACDを聴いてその真価に気付かされました。見違えるように芳醇になった響き。精緻にしてスケール感を失わないアンサンブル。品格を保ったままセル独自の世界を紡ぎだす改訂版スコア。
加えて、オマケと呼ぶには豪華すぎるメンデルスゾーン・アルバム。疾風怒濤の「イタリア」を筆頭にあまりの完成度に驚嘆するばかりです。

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同時発売されたボールトの新旧「惑星」を両方購入しました。先に旧盤の眩いばかりのエネルギー感を味わってしまったため、こちらの新盤はやや枯れた印象を受けましたが、演奏と録音の安定度など総合点の高さから、将来に渡って長く聴き続けることになるのは当盤のような気がしています。
なお、新旧両盤をセットで持つことによって「エルガー&ヴォーン・ウィリアムズ作品集」というLPまるまる1枚分の素敵なオマケが手に入るのは嬉しい限りです。

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タワレコDefinition Seriesで同時発売された2種の「惑星」を両方購入して聴き比べています。1966年録音の当盤、あたかも有能な若手指揮者による会心の熱演のような荒々しいほどの気迫と推進力に圧倒され、これまで抱いていた「英国紳士」「穏健派」というボールトのイメージが良い意味で覆されました。
全体的に見れば文句のつけようのない快演ですが、「火星」開始早々にトランペットが音を外したり、「木星」の最後の数小節で左チャンネルの音が遠のいたりといった原盤由来の細かな瑕疵が少々惜しまれます。

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このタワレコ盤、「レクイエム」第1曲冒頭から少々驚かされました。従来盤では管と弦の和音がスコア通り ff > p と聴こえる(聴感上は f>mp くらい)のですが、本盤は mpくらいのごくごく慎ましい音量で始まります。気になってこの演奏の既発CDやLPを調べてみたところ [ff型] と [mp型] が混在している状態。いったいどちらがオリジナルマスターテープ通りなのか???  私なりに見付けた答えは1950年の旧録音にありました。クリュイタンスはモノラル旧盤でも冒頭和音を弱めに演奏させています。この名指揮者は楽譜と異なるのは百も承知で自己の感性を貫いたのでしょう。
オリジナルのままで製品化されたディスクが流通する一方、スコアとの整合性を重視して冒頭和音の音量を上げる加工を施した別マスターが作成され、そちらを音源にしたディスクがいつの間にか市場に浸透していった、というのが私の推測です。
ほかにも、各種ノイズやテープの継ぎ目などマスターの瑕疵が過度に修正されることなく残されています。これらの点から、本SACD盤は余分な加工の無い最上位のオリジナルマスターを使用して制作された物であり、「オリジナルを尊重し、バランスを含め、あくまで最小限の範囲で音楽的なマスタリングを目指しました」という商品説明は信頼に値すると思います。今後も素晴らしい企画で我々を楽しませてください。

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大太鼓が1発少ない件は解説書に「指揮者の判断で省かれた」との記述有り。ザンデルリングは生演奏でも1発しか叩かせていません。既発売CDに2発入っているのは、原盤製作者が指揮者の真意を確かめないまま1発目をコピー&ペーストしてスコア通りに修正したためだそうです(TOWER RECORDSからの回答)。それはともかく、チューバの間抜けな音は本当に残念。

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