マーラー: 交響曲第1番《巨人》、交響曲第2番《復活》、交響曲第3番

ロリン・マゼール、他

演奏は１番から圧巻ともいえるスケールとデリカシーを、絶妙のコントロールでオケを支配しており、マーラー特有のここ一発の爆発もオケを鳴らし切って、その思い切りの良さはショルティすら凌ぐほど。全体にテンポは遅いのだが、松葉の際立たせ方が劇的効果を印象付けるので、聴き手は緊張の持続を強いられる。

J.S.バッハ:マタイ受難曲＜タワーレコード限定＞

ゲオルグ・ショルティ、他

先ずこの価格でリブレットを付けるという良心的な対応に敬意を表します。時に先鋭的とも言える大胆でソリッドな演奏と、リヒターなどトマスカントル系のオルガンにも似た豊かな残響を廃したサウンドで、キリストのドラマがダイレクトに飛び込んで来る感じで、他には得がたいディスクです。

シベリウス: ヴァイオリン協奏曲 Op.47, Op.37, ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.78 ｢雨の歌｣, 他 / 堀米ゆず子, ジョルジュ･オクトール, ベルギー国立管弦楽団, 他＜タワーレコード限定＞

堀米ゆず子、他

よくぞ復刻してくれました！フィッシャーとの二度目の録音も素晴らしかったが、コンクールでの張り詰めた緊張感の醸しだす音は失われてしまっており、この復刻盤の方が素晴らしい。数多い邦人女流のシベリウスの中でも屈指の演奏だと思います。