本家 Warner から出ている、国内盤 SACD ハイブリット盤も所有している。それと較べて本盤(タワーレコード企画盤)は、とにかく「 リアル & クリアー 」な音を追求していると思った。例の、第3楽章のコントラバスの旋律も、目をつむって聴くなら同じ空間に自らの体を置いているかのような錯覚にとらわれる。しかし、そのリマスターが時に「やりすぎ」に感じられる場面があるのも事実。全合奏のときの各楽器の聞え方のバランスが、あるいはその反映か部分的にテンポ感が、先行盤と違って聞えることがある。あくまでも私の試聴環境と好みからではあるが、バランスの点で Warner 盤を上位に評価したい。演奏自体は、他のレヴュアーの方がおっしゃるとおり、ジュリーニファンからもこの曲のファンからも多くの支持を集めてきた名録音です。