メンバーズレビュー一覧

Sibelius: The Symphonies<限定盤> / アンソニー・コリンズ (Classical)、他

演奏は、墨痕鮮やかな太い楷書体。我々がイメージしたがる静謐透明な北欧の調べではなく、剛直で堅固、確固たる意志を貫き通す力感溢れる表現。音質も、オリジナルLPに比べ、レンジが上下に広がり、特に低域の伸びと力強さは迫力満点。何よりも、S/N比の良さは昔日の比ではない。オリジナルLPを持っている方も、入手して損はない逸品。

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Erdingerさんが書いたメンバーズレビュー

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ブルックナーの交響曲第1番に感銘を受けて以来、ノイマンとゲヴァントハウス管弦楽団の演奏は、努めて旧ETERNAのLPで聴こうとしてきた。しかし、マーラーの交響曲に関しては、今や状態の良い盤の入手は絶望的。このSACDによる復刻は有難い。ノイマンの代表盤はチェコ・フィルを振ったものが挙げられるのだろうが、ゲヴァントハウス管弦楽団との演奏は、何物にも代えがたい珠玉の逸品ばかりである。

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ヴァーツラフ・ノイマンはチェコ・フィルの指揮者として数々の名演を繰り広げ、令名が高いが、1960年代のゲヴァントハウス管弦楽団との演奏が忘れがたい。この「我が祖国」もETERNAのLPを大切に聴いているが、復刻SACDも、全曲が1枚に納まって良好な音質で蘇っている。LPよりも鮮鋭度が増し、反面、高域に癖がなくもないかなと感じるが、鑑賞を左右するものではない。ゲヴァントハウス管弦楽団の響きは素晴らしく、指揮者の曲への共感が乗り移って気迫に満ちた演奏が展開されている。チェコ・フィルとのLPやCDを持っている方々も、是非聴いてみることをお薦めする。

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ベートーヴェン交響曲全集を入手すると必ず第3番と第5番を聴いてみる。これら両曲の出来映えで全集の仕上がりが判明すると思うから。ここぞという箇所の手前でクレッシェンド或いはディミヌエンドを効果的に使ったり、時にはグッと溜めを作ったり、様々な工夫で生き生きとした音楽を生み出している。(第6番では些か煩わしいけど)第5番ではカルロス・クライバーの演奏のエコーも聞こえて、彼の影響力の一端を垣間見た思い。

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ベートーヴェン生誕250年で多くの新録音を聴いたが、このセットは、ベーレンライター等の新校訂版に従っている所もあれば、古いブライトコプフ版でもカットされることが多かった箇所をノーカットで演奏したり(第4番1楽章主題提示部末尾)、色々工夫を凝らしている。でも、それらが腑に落ちるかというと・・・・、私にとっては???だった。

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ベートーヴェン生誕250年で多くの新録音が世に出たが、それらの中でこのセットには満足できなかった。トランペットやティンパニの強奏がやたら耳を刺すし、聞こえるべき(と思われる)内声部が全く聞こえなかったり・・・・、挙げればきりがないが、どういう意図でそのように演奏するのか、どうしても合点がいかない所が続出してしまった。

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21世紀に入りベーレンライターやヘンレ等の新校訂版が出版されたが、それ以前に録音されたからといって、この全集の価値が下がることはない。新版を使えば名演奏に仕上がる訳ではなく、要は作曲者の遺した作品にどれだけ肉薄して共感し、音楽として提示できるかだろう。ホグウッドは知性と感性のバランスがとれた稀有の音楽家だった。

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ピリオド楽器やピリオド奏法が幅をきかせる現在、モダン楽器でどのようにベートーヴェンを演奏するのか。ここ数年間に登場した録音を次々に聴いてみたが、このディスクに尽きる。ブロムシュテットは、若い頃より断然素晴らしい。音楽は溌剌として瑞々しく、老いの陰や枯れた気配など微塵も感じさせない。ゲヴァントハウス管弦楽団も生気に溢れ、聴き惚れる響きでありアンサンブルだ。指揮する、されるという関係が感じられず、まさに鞍上人なく鞍下馬なし、とはこういうことか。

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1960年代にベートーヴェンの交響曲全集をメジャーレーベルに録音できる指揮者が何人いたろうか。そう考えると、屈指の実力を認められた指揮者だったということがよくわかる。ある本に「小型トスカニーニ」と評されていたがとんでもない。クレツキはクレツキである。誰かの亜流などではない。大袈裟な身振りはないが、十分に力強く格調高い。当時よく行われていた一部パートの改変が聞こえるのも、今となっては懐かしい。

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演奏は、墨痕鮮やかな太い楷書体。我々がイメージしたがる静謐透明な北欧の調べではなく、剛直で堅固、確固たる意志を貫き通す力感溢れる表現。音質も、オリジナルLPに比べ、レンジが上下に広がり、特に低域の伸びと力強さは迫力満点。何よりも、S/N比の良さは昔日の比ではない。オリジナルLPを持っている方も、入手して損はない逸品。

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本自体は興味深い内容だが、校正の甘さからくる誤植が気になる。編集者が歴史に詳しくないのか、その方面の誤記や、著者の記憶違いによる間違いもある。CDの音は水準以上の復刻だが、SP盤再生の段階で、もっと何とかなるのでは?と感じたものもあった。また、愛好家に広く呼びかけて、もっと状態の良いSP盤を借用し、復刻出来たのでは?と思うものもある。

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