ロマンティックはSACDもブルーレイ・オーディオも出ているので、今回のこの企画、3番目当てに購入する人が多いのだと思う。冊子の表が4番、裏が3番のジャケットになっている。自分が好きな方を表にすればいい。こんなところにも製作サイドのモノづくりへのこだわりが垣間見える。聴くだけでなく持つことの喜びも実感できる。僕は目当てだった3番の方を表にした。ベームの3番はこの曲が市民権を得るのに多大なる貢献をした一枚だし、4番については、曲のイメージとオケの音色が幸福に結びついた数少ない例であろう。元のデッカの録音もよいのだろうが、2曲とも大変上品にSACD化されている。4番2楽章の弦を聴くと溶けてしまいそうな優しい響きだ。ウィーン・フィルのこの響きはいったいどこに行ったのだろう。こんな甘美な響きを聴かせながらも全体の構成は極めて男性的。細部に凝ったりはせず、テンポを揺さぶることなく、先へ進んでゆく。同じタワレコ企画SACDでもワルター大地や朝比奈・新日・ブルックナー3,4番はちょっと痛かった。が、今回のこの2枚、自信をもって人に勧められる。何が違うのだろう。