さぞや針音が盛大に入っていると思いきやそんなことはなく、すっきりとして、とても聴きやすい音になっている。最高傑作といえるほどの演奏かどうかは置いておいて、戦前のウィーン・フィルの演奏が比較的いい音で鑑賞できるようになったのは喜ばしい。この音で、90年代初めに出ていたウィーンフィル編と九大管弦楽団編(それぞれ14枚組)のセットを復活させてほしい。
(追記)「アイネクライネナハトムジーク」は、音がかなりひずんでおり、いただけない。90年代に出た、「ウィーンフィルによるモーツァルトの芸術」(新星堂・3枚組、制作は東芝EMI)や「ワルター/モーツァルトレコーディングス」(これも3枚組)のほうがずっとよい。