ベートーヴェン: ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」

ナタン・ミルシテイン

何度か発売日変更があり、多少イライラしましたが、ようやく本日届きました。

私はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲がとにかく好きで、CDはCD-Rを含めると約110枚、配信と怪しげな海外のＬＰ盤起こしＭＰ３などを含めると、現在まで120種類の演奏を所有・聴いており、人から言われれば、国や男か女、録音時期、ステレオorモノラル、演奏スタイル等を吟味し、ソムリエみたいな感覚で、おすすめの一枚を挙げることができます。

それくらいに大好きなベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。きっかけは、ナタン・ミルステインの54年スタインバーグ指揮のものと、ラインスドルフ指揮による本演奏です。ゴッテゴテの様式でがんじがらめ、退屈極まりないこの曲を、まるでチャイコフスキーのように優美に演奏し、おまけにミスもない。演奏芸術とはまさにこのことを言うのか──それから、この曲の探求が始まり、前述したとおり、気付けば100を超える演奏を聴いていました。

むろん、ラインスドルフ指揮による本演奏に関しても、アナログ盤では1961年のオリジナル盤SAX2508（購入時はニアミント）とスペイン盤、CDではキャピトル版、日本版（EMIとセラフィムの2枚）、フランス版、最近フランスから配信された、謎のリマスター版と、流通しているものはほぼほぼ所有し、聴いています。

その上で、このSpectrum Sound版ですが、基準をアナログ盤1962年オリジナル盤SAX2508とすれば、これまで発売されたCDとは比較にならないくらい、アナログ盤の音を再現していると思いました。メーカーからのアナウンスを読むと、希少なオリジナルＬＰと、オープンリールテープとの混合でリミックスされているようですが、聞いていてもそれは気にならず、感心しました。

現状、SAX2508をDSD録音し、それをハイエンド機材で毎日聴いて、たまに息抜きに、EMI版やフランス版のCDを聴いているんですが、これからはCDならSpectrum Sound版ですね。

できることなら、本盤のソースとなっている、192k/24bitのハイレゾ音源も売ってくれないかな…と思いますが、Spectrum Soundは配信はやっていないので、そこは悔やまれるところです。

Idiot Prayer: Nick Cave Alone

Nick Cave

先行シングルカットされた「Galleon Ship」を筆頭に、ピアノソナタ形式で演奏された素晴らしい楽曲群。それはまったく問題ないんですが、問題なのはアナログディスクというフォーマット。ニック・ケイヴのインディーレーベルというせいもあるのか、品質管理に疑問。私の個体は大外れ、プチプチノイズの嵐でした。CD盤を後から買いました。あと、供給の問題。注文し、届いたのは現地発売日の三週間後でした。国内販売店は、最初からやる気ないならニック・ケイヴを取り扱うな！

J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番、第3番、ソナタ第3番

ヒラリー・ハーン

まず盤質は個体差あると思いますが、自分が手に入れた盤は傷一つなく、再生時もパチパチノイズ皆無ではないにせよ、ほぼナシで快適に聴けました。音質は2020年の最新リマスタリングということですが、オリジナル自体、CDだったので比較しようありませんが良い・悪いで言えば良いに決まっています。ただ、24/192で書き出しそれをマスターにしているのなら、高価な限定アナログ盤などという不安定なメディアではなく、moraでの配信かSACDでも良かったのでは？　と思いました。とはいえ、買って良かったです。

ベートーヴェン: 交響曲全集

ウィリアム・スタインバーグ、他

当方の総額60万ほどのシステムを駆使してCD全て聴き込みました。十中八九、オリジナルマスターテープからの復刻だと思います。過去、同演奏全集は、3つのレーベルから復刻された内、2レーベルを所有していましたが、いずれも盤起こし。もうそれを聴かなくていい。ありがとうグラモフォン。そしてスタインバーグの超クールな指揮・演奏が、これを機に多くの未聴の方々に聴いてもらえますよう願います。おすすめです。

アントン・ガルシア・アブリル: 6つのパルティータ

ヒラリー・ハーン

演奏は最高。ただ、自分が買った盤質は最悪でした。新品なのに、パチパチノイズ。ありえない。中性洗剤＆水で洗っても無駄でした。ストレス半端ない…。アナログ盤てのは個体差がすさまじい、ましてや日本にやってくるまでに、さらに傷つくわけだから、そもそも無理があるんですよ…。CDかDSDファイル出ないかな。

ベートーヴェン: ヴァイオリン協奏曲&ロマンス

レナ・ノイダウアー、他

レナ・ノイダウアーというソリストが巧すぎる。ただし、マルクス・ボッシュの指揮と伴奏のカペラ・アクイレイアとやらの主張が強すぎて、ウザいと思う瞬間がちらほら。なによりも腹立たしいのが、第一楽章、ソリストが主題に入る前の金管楽器の響きがうるさすぎる（左チャンネル）。かなり耳を突く音。おまけのロマンスはまともに聴けるが、メインの協奏曲がそんな伴奏なので、星3です。ミックスやりなおしてほしい…。