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第565回 ─ TIMBALAND

連載
NEW OPUSコラム
公開
2009/12/24   19:00
ソース
『bounce』 317号(2009/12/25)
テキスト
文/升本 徹

ショック療法の第2弾に撃たれろ!!


  “Give It To Me”や“The Way I Are”などのヒット・シングルを量産し、ケリ・ヒルソンやワンリパブリックら新たなタレントを輩出したティンバランドの傑作『Shock Value』。それからおよそ2年半を経て、続編となるニュー・アルバム『Shock Value II』がリリースされた。彼のそれまでのキャリアを総括するだけでなく、以降の活動の新たな指針にもなった前作は、ジャンルを超えて幅広い層のリスナーから圧倒的な支持を得たが、今回もその路線を踏襲するクロスオーヴァーなアルバムとなっている。

 ケリ・ヒルソンやジャスティン・ティンバーレイクなど前作からの連続参加組に、話題の新人ドレイク、そしてブランディなどの名前はあるものの、アーバン色は若干後退。ロック勢の参加も前作からの流れだが、日本でも人気の高いジェットやニッケルバックのチャド・クルーガー、カナダのフレイ、そしてドートリーと、今回はいっそうラウド&ヘヴィーな顔ぶれが中心になっている。さらにケイティ・ペリーやマイリー・サイラスら新世代のポップスターたちも招き、横断するジャンルの振り幅はよりワイドに! サウンド的には、主宰レーベルであるモズリーの新人ソウシャイとネリー・ファータド参加の先行曲“Morning After Dark”で聴けたエレクトリカルでダンサブルな先鋭的ファンクが中心となっている。多様なマテリアルをフルに活かすティンバの、ポップ・マエストロとしての才が存分に発揮された一枚だと言えよう。

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