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第29回 ─ 〈増子のメル友〉

連載
Bar YAMAGA
公開
2009/04/30   16:00
更新
2009/04/30   18:25
ソース
『bounce』 309号(2009/4/25)
テキスト
文/〈Bar YAMAGA〉のバーテン

武藤昭平による、〈憧れのアーティストたちと酒場でいっしょに酒を飲んだら?〉――という深夜の妄想話!

 24時。怒髪天のヴォーカル、増子直純に呼び出されてここ〈Bar YAMAGA〉にて2人で飲んでいる。くだらない話をしながら時間を過ごしたが、突然思い出したように俺が増子に訊いてみた。「そういえば増子兄ヤン。俺、メールで兄ヤンから呼び出されたけど、何か用事があるんですよね?」すると増子も思い出したように話す。「そうそう。忘れてたよ、ガハハハッ! っつっても、大した用でもねえんだけどさ」「えっ!? なんすか?」。そんな俺の問いに答える増子。「いやいや。なんかさ~、今日コステロからメールもらってね。いっしょに遊ばねえか?っつうから。2人で飲むのもなんだし、メンツを集めてたってわけよ」。増子の話で少し理解ができなかった部分を俺は訊き返してみた。「兄ヤン、コステロって誰っすか?」「あれ!? 武藤、知らなかったっけ? エルヴィス・コステロだよ」「えっ!? ま、ま、ま、まじっすか!? あのエルヴィス・コステロっすか!? もちろん知ってますけど、面識はないんで」「おう、そのコステロだよ。メル友なんだよ」「うおおお! スゲエ。だってロックの殿堂入りを果たした人じゃないですか」「ロックの殿堂入りだか、ザビエル伝道師だか知らねえけどさ。あれ、武藤。お前とウエノコウジでチャック・ベリーとセッションしたことがあるんだろ? この〈Bar YAMAGA〉で盛り上がったのがきっかけで。チャック・ベリーだってロックの殿堂入りしてんじゃねえか」「ああ、そうっすね。失礼しました。それにしても流石、増子兄ヤンは顔が広いっすね」。その俺の言葉に、増子が得意気に返す。「そうよ、武藤。俺は伊達に顔が広いだけじゃないよ。ちなみにもう一人呼んでんだわ」「誰っすか?」。すると、さらに得意気な顔で言う。「ん? ジムだよ、ジム」「ジム? 誰っすか、ジムって」「バカか、武藤! ジム・モリソンだよ!」「えええっ! ドアーズのヴォーカルのジム・モリソンっすか!? 兄ヤン、ジム・モリソンともメル友なんすか!?」。

 その時、店の扉が開き、一人の男が入ってきた。その男に増子が声をかける。「おお、コステロ! こっちこっち」。エルヴィス・コステロだ。コステロが増子に声をかける。「おお、増子はん! まいど!」。

……武藤昭平、あくまでも妄想の話。

深夜の妄想盤

怒髪天 『プロレタリアン・ラリアット』 インペリアル(2009)
増子さんが絶唱する〈リズム&演歌〉はこの新作でも健在。なかでも労働者ならではの悲喜こもごもをしたためた先行シングル“労働CALLING”には、メル友のコステロさんも大いに共感を寄せたのだとか!? これがかかると私の店がロンドンのパブと化してしまい……正直困ってます!

サザンオールスターズ 『熱い胸さわぎ』 TAISHITA(1978)
そういえば武藤さんと増子さんは、昨年の〈RISING SUN〉にて破綻オールスターズなるユニット名でサザンのコピーを披露していましたっけ。原坊役に奥野真哉さんを抜擢したあたりも笑えますが、ラストの“勝手にシンドバッド”でのハチャメチャぶりといったら! DVD化熱望です!!

PROFILE

武藤昭平
ジャズとパンクを融合させたオリジナルなサウンドで人気を博す伊達男音楽集団、勝手にしやがれのドラマー/ヴォーカリスト。昨年末のワンマン・ライヴを収めたDVD「勝手 at 九段 ~2008.12.11. you don't know what "LIFE IS..." at 九段会館大ホール~」(tearbridge)をリリースしたばかり。また、現在はウエノコウジとのジョイント・ライヴを精力的に行っている模様で、5月10日(日)に宇都宮・KENT、5月14日(日)に郡山・CLUB#9でのギグも決定している。その他の最新ニュースは〈www.katteni-shiyagare.com〉で!!