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第37回 ─ 黄昏の8マイル

ESSENTIALS グルーヴィーな名盤たち

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2008/12/11   03:00
更新
2008/12/11   18:15
ソース
『bounce』 305号(2008/11/25)
テキスト
文/出嶌 孝次、林 剛

THE COUNTS 『What's Up Front That-Counts』 Westbound/Ace(1971)
ファビュラス・カウンツと名乗っていたデトロイトのバンドがカウンツと改名して放った、ウェストバウンドからの1作目。エリックB&ラキム“Relax With Pep”にモロ使いされた表題曲など、ファンカデリックのサイケ感とオルガン・ジャズのグルーヴィー感を交えたファンクは、レーベル初期のサウンドを象徴するものだったと言っていいだろう。地元賛歌的な“Motor City”もカッコイイ。
(林)


DENISE LASALLE 『On The Loose/ Trapped By A Thing Called Love』 Ace 
南部屈指のレディー・ソウルによるハイ録音作(72&73年)の2in1。ウェストバウンドにいたメンフィス出身のプロデューサーがウィリー・ミッチェルと知り合いだったことから実現したとされる録音で、ハイ独特のもったりとしたバックに乗ってゆったりディープに歌い上げるデニスが素晴らしい。特に“Trapped By A Thing Called Love”は70'sサザン・ソウルの至宝。何という包容力だ!
(林)


THE DETROIT EMERALDS 『Do Me Right/You Want It, You Got It』 Ace 
アーカンソーで結成されたエメラルズを前身とし、デトロイトでトリオとして再編されたヴォーカル・グループ。これはウェストバウンドでの初期2作(71&72年)の2in1で、ハイ録音のデモをデトロイトで仕上げた楽曲も含むものだ。ポップで軽快な身のこなしはメイン・イングリーディエントにも通じるか。グループ最大のヒット曲“Baby Let Me Take You(In My Arms)”はネタとしても有名。
(林)


ERAMUS HALL 『Your Love Is My Desire』 Westbound/Ace(1980)
マーキュリー移籍後のオハイオ・プレイヤーズを思わせるユニットの、メロウでグルーヴィーなレア・アルバム。84年のキャピトル盤ではジョージ・クリントンに制作を仰ぐことになるだけあってパーラメントっぽいファンクもやっているが、ブラック・バーズやプレジャーに通じるフュージョン・ファンク・サウンドが何より心地良い。JR・ベイリーの“Just Me 'N' You”を歌うニュー・ソウル的センスも○。
(林)


FANTASTIC FOUR 『Got To Have Your Love/Bring Your Own Funk』 Ace 
モータウンに切られてウェストバウンド入りしたデトロイト屈指のヴォーカル・グループ。知名度は高くないが、テンプテーションズやフォー・トップス級の実力を持つグループであったことは、77&78年作の2in1となる本盤を聴いてもわかるだろう。重戦車のように迫る豪快なリードが中心となって、ミディアム系のダンサーや図太いファンク、美しいスロウ・バラードまでを堂々と歌う。
(林)

FUNKADELIC 『America Eats Its Young』 Westbound/Ace(1972)
オリジナル・メンバー4人が離脱し、ブーツィー・コリンズらの新顔を加えた過渡期の4作目。制作面の全権掌握を許されたジョージ・クリントンが、最初期ファンカの60年代のサイケ感を振り払って、パーラメント色も混同しながら綿密に編み上げた大作だ。ゴスペル調の美しい社会派ナンバー“Everybody Is Going To Make It This Time”や洒脱なインストものなど、色とりどりに渦巻くグルーヴが楽しい。
(出嶌)


THE MIKE THEODORE ORCHESTRA 『Cosmic Wind/High On Mad Mountain』 Ace 
ウェストバウンドの裏方だったマイク・セオドア率いるディスコ・オーケストラ。カップリングされたこの77&79年作は当然のようにディスコ一色で、サルソウル・オーケストラよろしくストリングスや女声コーラスを配した煌びやかでダンサブルな曲が連発される(ミックスにはトム・モウルトンも関与)。が、ボトムの太さはデトロイトならではだろう。ファンク・ブラザーズの元メンバーも参加。
(林)

THE OHIO PLAYERS 『Pleasure』 Westbound/Ace(1972)
マーキュリー転出後の名作群も当然マストだが……ウォルター“ジュニー”モリソン(ソロ作も凄いので誰か復刻して!)が在籍したウェストバウンド時代の作品は、粗削りで野卑なファンクネスと甘い奇矯さの絶妙な配合ぶりが最高なのだ。なかでもこの移籍後2作目は怪しくも妖しい名品。20年後にGファンクのシンボルとして甦る“Funky Worm”の高音シンセなど、ジュニーの変態スレスレな天才性を堪能してほしい。
(出嶌)

SPANKY WILSON 『Westbound Years』 Ace 
クァンティックを従えた近年の復活作でふたたび注目を集めたソウル・ジャズ歌姫の、未発表曲を含むウェストバウンド期の編集盤。デヴィッド・ヴァン・デ・ピットやポール・ライザーらがアレンジしたファンキーでゴージャスな演奏は〈70'sデトロイトの粋、ここに極まれり〉といった感じで、快活でありながらやるせなさも滲ませたスパンキーの歌声がこれまた聴く者の胸を熱くする。すべてが名曲だ。
(林)

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