neco眠る 1st ALBUM RELEASE PARTY in TOKYO @ 新大久保・EARTHDOM 2008年11月9日(日)
■赤い疑惑 (From 東京)
フロアをデモ風に練り歩きながら登場したのは、アクセル長尾(ヴォーカル/ギター)、松田クラッチ(ベース/コーラス)、沓沢ブレーキ(ドラムス/コーラス)といったコミカルなネーミングからは想像できない……いや、ちょっとは想像できるかもしれない社会派(?)ロックを鳴らすスリーピース・バンド、赤い疑惑。〈赤い疑惑がただいま参上〉といったキメ台詞が幕開けにピッタリな“東京のボンボン”で始まったステージ(闘争)は、「俺たちの生き様を見てくれよ!」という宣言も含めてどこか軟弱な佇まい……なのだが、ストレートなパンク・サウンドとラップ混じりのヴォーカル、掛け合いのコーラスの不器用なミクスチャーぶりが何だか逆にグッとくる。社会的弱者の叫びを赤裸々に綴ったいなたいロックンロールで、満員の会場内を存分に温めてくれた。
■オシリペンペンズ
写真/竹西優子
ある意味、この人たちは見た目からかなりの確率で音楽性を想像できるんじゃないだろうか? 関西アンダーグラウンド・シーンの最強バンド=オシリペンペンズは、初っ端からギターとドラムのみでカオティックなグルーヴを生み出し、会場を不穏極まりないサイケデリック地獄へと突き落とす。ヴォーカル・石井モタコによる「お前が悪い!」と畳み掛ける絶叫も、間違いなくトラウマになりそうなインパクトだ。しまいには、喉に手を突っ込んだモタコがフロアに大きく乗り出し、まさか……という予想どおりに胃液を吐き出すというパフォーマンス(?)も飛び出し、フロアはもう何やらわからない液体まみれ。かと思えば、ギターが刻む祭り囃子風のリフに合わせて観客が痙攣気味に踊りまくる、という真の意味でのサイケ状態が目の前で繰り広げられたりと、目と耳はステージに釘付けながら、あっけに取られているんだか、魅入られてるんだかまったくわからないままに通過していった30分間だった。
■younGSounds (From 東京)
三番手は、イルリメ、やけのはら、idea of a joke、KIRIHITOの面々から成るやたら豪華な6人組バンド、younGSounds。パンク、ハードコア、ヒップホップ、ダンス・ミュージックがアグレッシヴにぶつかり合うサウンドと、3人のMCがエネルギッシュに煽りまくるステージングにフロアのヴォルテージは急騰。前方のモッシュ集団に次々と観客が飛び込んでいったかと思えば、ダイヴァーが天井を滑るような勢いで後方へ転がり出てくる(この会場は、観客の頭上にダイヴすると天井にぶつかりそうなくらいに天井が低い)。ここしばらくのライヴで一番とも言える圧倒的なグルーヴに巻き込まれ、筆者のテンションも激アガリ! どこまでもアッパーに駆け抜けたステージ後は、会場のあちこちで「凄い!」「ヤバイ!」といった声が飛び交っていた。今年はこの日が最後、かつ来年以降は特にライヴの予定がないというのが残念だけど、どうやら大人の事情が許せば初音源も発表される模様!?
▼文中に登場したアーティストの作品