テイ・トウワが昨年スタートさせたhug Columbiaのリリース活動は、どちらかといえばクリエイター目線よりもDJ目線から生じたもののほうが中心でした。第1弾リリースは自身の93年作『FUTURE LISTENING』のリイシューでしたし、合間には松本人志の映画「大日本人」のサントラでクリエイターとしての手腕を発揮していたものの、〈乙女ハウス〉景気を利用(?)した〈MOTIVATION FIVE〉、選曲とDJミックスをムードマンに委ねた〈MOTIVATION 6 Adult Oriented Click〉……と、近年のテイはリスニング的な楽しみも視野に入れつつ、ハウスの振り幅を提示し続けてきたと言えましょう。今回の『MOTIVATION 7 compiled by DJ TOWA TEI』も彼が自身のDJセットの一部を明かしたようなハウス・トラック集で、シンデンがリミックスしたライオット・イン・ベルギー“La Musique”のようなフィジェットもあれば、マシュー・ディアの軽妙なクリックもソウルフルな歌モノもあって、その多面性がそのままテイの個性を形成しているような作りは〈FIVE〉同様ですね。
ただ、今回は(前作でムードマンの掲げたテーマに触発されたのかもしれませんが)テイの新曲として〈AORの現代的解釈〉というダウンテンポ“A.O.R.”が収録されていることにも注目でしょう。昨年のサントラ『EX MACHINA』で細野晴臣制作の“PUZZLE-RIDDLE”を披露していたモデルの太田莉奈が雰囲気のあるクール・ヴォイスを聴かせる作りも巧妙! 最近では板尾創路のシングル“少年B”も手掛けていたテイが、久々のソロ作に対するモチヴェーションをイイ具合に高めつつある……そんな期待も抱かせる好サンプルであります。
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