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第4回 ─ 〈サマソニ〉予習編! 当日はどう動く? 観覧シミュレーションをふたたび!!

座談会で取り上げたアーティストの作品を紹介! 8月9日(土)出演組

連載
オレら の 夏 フェス 予習・復習帳 '08
公開
2008/07/31   18:00
更新
2008/08/08   13:08
テキスト
文/赤瀧洋二、白神篤史、出嶌孝次、宮原亜矢、ヤング係長、渡辺貴仁

#1 PAUL WELLER
『22 Dreams』
Island/ユニバーサル(2008)

50歳を迎えた〈モッド・ファーザー〉の通算9枚目となるソロ・アルバムは、21曲入りの重量盤だ。ソウル(やはりここでもカーティス・メイフィールド愛が炸裂!)、フォーク、サイケ、ガレージ、室内音楽などさまざまなエッセンスを採り入れた本作は、ビートルズ〈White Album〉と比べたくなるほど豊富なアイデアに満ちている。オアシスのギャラガー兄弟やグレアム・コクソン、リトル・バーリーも参加した豪華な一枚。(赤瀧洋二/bounce 2008年08月号掲載)

#2 HOT CHIP
『Made In The Dark』
EMI/EMI Music Japan(2008)

甘美かつエレクトロなパフォーマンスで観客を骨抜きにしてくれた昨年の〈サマソニ〉公演も記憶に新しいロンドンの5人組が、短いスパンで新作を投下! ヨーロッパを中心に〈ダンス・ロックの金字塔〉と絶賛された前作『The Warning』も素晴らしかったが、今作はそれを遥かに上回る傑作だ。全体を包み込む柔らかな電子音は極美の一言だが、さらにバラード曲やソウルフルなナンバーなど新たな可能性も開示している。(白神篤史/bounce 2008年02月号掲載)

#3 PANIC AT THE DISCO
『Pretty, Odd.』
Fueld By Ramen/Atlantic/ワーナー(2008)

前作でパンクにディスコなどの要素を融合させ、新たなエモを提示したパニック・アット・ザ・ディスコ。その一方で彼らはかねてから懐古趣味を覗かせていたわけだが、驚いたことに2枚目となる新作ではサイケ期のビートルズに傾倒。他にもトム・ウェイツを深愛するライアン・ロスが描いた青い詞世界やクイーン的なコーラス・ワークなど、ロック好きなら反応せずにはいられないスパイスが満載されている。しかし本人たちは〈心配しないで、僕たちはいまも同じバンドだから〉と歌う。仮にアナタがそんなリリックに疑問を抱いたとしても、戸惑わずに聴き続けてほしい。なぜなら、彼ら特有のロマンティシズムが心地良い後味として残る名盤だということが、じんわりと理解できる作品に仕上がっているのだから。(宮原亜矢/bounce 2008年04月号掲載)

#4 DEATH CAB FOR CUTIE
『Narrow Stairs』
Atlantic/ワーナー(2008)

USインディー界最後の良心とも言われたシアトル出身の彼らが、メジャー第2弾アルバムをリリース。中心人物のクリス・ウォラみずからが〈変化球〉と豪語する本作は、シューゲイザー、サイケ、ポスト・ロック的なアプローチで新境地を感じさせる仕上がりだ。しかし全編を通じて貫かれているのは、〈デスキャブ節〉としか言いようがない美メロへのこだわり。その音像はメジャー・シーンにおいてもひときわ異彩を放っている。(渡辺貴仁/bounce 2008年07月号掲載)

#5 BLOOD RED SHOES
『Box Of Secrets』
V2/HOSTESS(2008)

昨年末の日本デビューEPでロック・リスナーの間に蔓延したニューでレイヴなムードに渇を入れてくれたブライトン発の男女 2人組が、待望のファースト・アルバムを完成させた。アークティック・モンキーズ仕事などで知られるマイク・ロッシーをプロデューサーに迎え、ソニック・ユース~ヤー・ヤー・ヤーズから継承したインディー精神と強靭なロックンロール・サウンドをクールに掻き鳴らしているぞ!(白神篤史/bounce 2008年02月号掲載)

#6 Perfume
『GAME』
徳間ジャパン(2008)

〈Perfume現象〉と言ってもいいほど爆発的に認知を広げた3人の、トータル・プロデュースされた初のアルバムが『GAME』だ。作詞/作曲すべてを中田ヤスタカが手掛けたことにより、統一感をグッと増した作品となっている。彼の特徴である、フィルター使いのヴォーカルに粘りのあるブリンブリンのベースと太めのキック音を合わせる手法は健在。一方で歌声からエフェクトを外した“Take me Take me”、バックの音をバンド・サウンドにした“Puppy love”など、手法の違いを逆手に取るような曲をアクセントにしている部分からも、策士・中田の含み笑いが見えてくるようだ。立ち位置もわからぬままに周りが大きく変化していく、その加速度にPerfumeがついて行けるのか?という不安もあるにはある。しかし、いま彼女たちを取り巻く状況が〈現象〉として捉えられている理由、本人たちはアイドルをやっているつもりでありながら中田はいわゆる〈アイドル・ソング〉を作っていない――演る側と演らせる側の音楽的な認識に大きなズレがあり、そのズレがずっとキープされているからこそ生まれる奇妙なおもしろさ、刹那的な魅力に世間は惹かれているのだ。あらゆる行為が〈ネタ〉の一言で済まされ、半笑いで処理されがちな現代、彼女たちが(ある意味では)無知を武器にして、プリミティヴにアイドルを演じている姿は、どう見てもラディカルである。本作は〈YouTube〉を通じて名を広めたユニットが日本で出した作品のなかで最良のものと言い切ってしまいたい。それはアイドルそのものの見られ方が変わる、その決定打となるはずだからだ。(ヤング係長/bounce 2008年05月号掲載)

わたしが子供の頃は〈ゲームばっかやってるとアホになるわよ!〉とか言われたもんですが、昨今はどうなんかね。少なくとも、昔ほど害悪的で特別な行為とは見られてないように思います。で、これ以上ない好機でニュー・アルバム『GAME』を発表したPerfumeの話。多くの人が喰らったであろう出会い頭のキッチュな衝撃とかヘンテコなギャップも、いまや異物感や違和感なく普通のものとして受容されているはずです。それはチープな衣装でひたむきに踊っていた3人の美しさをもう思い出せないほどのスピードだからして、もはや彼女らの有り様やスタンスをあれこれ斜めから論じる時期でもないでしょう。何より、この『GAME』には彼女らの〈いちばん大切なもの〉、すなわちガチでクォリティーの高すぎる既発の5曲+フレッシュな書き下ろしの7曲が普通に用意されているのですから。ダフト・パンク“Something About Us”に着想を得たような“マカロニ”を年頭のシングルで聴いた時には、今後はもっとヒューマンな風情も見せていくのかと思いましたが、結果はそれも踏まえたパーフェクトな仕上がり! Perfume節と呼ぶべきメロディー運びが披露される“セラミックガール”や“シークレットシークレット”と、歌をアリバイにした中田ヤスタカ節のディストーション・ディスコが痛快に共存していて、素直に良い曲ばかりなのです。で、素直に良い曲だけで出来ているアルバムというのがそう多くないということに、いろんな人は普通にショックを受けるべきとでもいうか……。(出嶌孝次/bounce 2008年05月号掲載)