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第2回 ─ ヤックマウス、やってます

連載
G-GRIND PRIX
公開
2008/05/29   17:00
ソース
『bounce』 299号(2008/5/25)
テキスト
文/DGノックアウト

吸って、吐いて……余裕で生きてるぜ! 今月は独立を果たしたオークランドのサグなゴジラが、ついに復活の狼煙を上げる!


ヤックマウスの最新オリジナル・アルバム『Million Dollar Mouthpiece』(Smoke-A-Lot/Rap-A-Lot 4 Life)

ヤック「なんだよ。オマエ程度のチンピラなヤツしか取材に来ないなんて……がっかりだよ!」

DG「やっくん? 中途半端に古いが……『Godzilla』っていうアルバムもあったし、ムダに日本通だな。まあ、それは置いといて、ここ最近はミックステープとかも含めて凄いリリース量だけど、たぶんオマエのグループ時代のこととか、いまのGな若人は知らないと思うんだよ。どうだ、衝撃だろ」

ヤック「え、オレがやってたグループぐらい、誰でも知ってるでしょ?」

DG「G意識過剰なんだよ。オマエがナムスカルと組んでたルーニーズと言やあ、90年代中盤にオークランドから登場してさ、いきなりメチャメチャ成功したんだけどな。コンドームを使ったイメージキャラも斬新だったぜ。ただ、仲違いとかもあって急にオマエがソロになっちまったんだよな……」

ヤック「……グループ時代の思い出とか前の事務所のことはあんまり話したくないな」

DG「前の事務所? ああ、C・ノートな。ドゥルー・ダウンも所属してたけど、あそこの悪徳ぶりは有名だったらしいね。でも、オマエの真の凄味はソロに転向してから発揮されたと思ってるぞ。南部のラップ・ア・ロットと契約して、自分のレーベルを設立したり、ミックステープを出しまくったり、C-Boとサグ・ローズを結成したり、キラー・クランプやメッシー・マーヴとかの若手とタッグを組んだりしてさ」

ヤック「〈独りになってがんばったな〉とは言われるね」

DG「そりゃそうだろ。マスターPから50セント、トゥー・ショート、アフロマンまでも曲中でディスるほど、オマエは負けん気の強いべらんめぇ調な男だもんな」

ヤック「べらんめぇ……SOかもね」

DG「それで、今年に入ってラップ・ア・ロットも離れたんだよな?」

ヤック「……はい?」

DG「っていうか、オレばっか喋ってるじゃねかよ。これじゃインタヴューにならねえって……じゃあ最後に、ルーニーズ再結成の噂について教えろよ」

ヤック「結局それが訊きたかったのか。オレたちの再結成は絶対にNAI・NAIって! 布川とは話してないし。それと、コンドームを小道具にしてたのはモックンだから。じゃ、朝の収録があるんで」

DG「ありゃ……人違いだったか。でも、いまのオッサンは誰だったんだ?」


ヤックマウスの2001年作『Thug Lord : The New Testament』(Rap-A-Lot/Virgin)