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第75回 ─ キル・ロック・スターズ

第75回 ─ キル・ロック・スターズ(2)

連載
Discographic  
公開
2008/03/13   23:00
ソース
『bounce』 296号(2008/2/25)
テキスト
文/冨田 明宏、村尾 泰郎

NUMBERS 『Now You Are This』(2007)
時を経るごとに音楽性を進化させ、当初のエレクトロ・パンクからよりミニマルでトランシーなグルーヴを手に入れた彼らの4作目。ギターの爆発的なエネルギーとシンセ・ノイズが中空で唸るシューゲイザー風なアプローチが鮮烈だが……徐々にレーベル・カラーから脱してない!?
(冨田)

XIU XIU 『Women As Lovers』 5RC(2008)
インディー・ロック界のカリスマ、ジェイミー・スチュアート率いるバンドで、ディアフーフと並び称されるレーベルの看板的な存在である彼らの最新作。アヴァン・フォークな音楽性で、脅迫観念に囚われたような切迫した歌声を聴かせる。この存在感は唯一無二だ!
(冨田)


MARY LOU LOAD 『Mary Lou Load』(1996)
カート・コバーンの元カノジョという紹介もいまとなっては、そんなの関係ねえ。バスキングで鍛えた弾き語り、可憐さと芯の強さを併せ持った語り口は、聴き手のハートをふわふわと軽くしてくれる。オリンピアという土地が持つ、穏やかな温もりが感じられる一枚。
(村尾)

UNWOUND 『A Single History:1991-1997』 
マス・ロックの元祖としても知られる存在だが、知名度が低いためにその凄さはあまり伝播していない。そんな彼らのことを知るには打ってつけのベスト盤がコレ。ダイナミックなグルーヴを叩き出すリズム隊とヒステリックなギターのアンサンブルは、獲物を狙う猛禽類の如し。
(冨田)

SLEATER-KINNEY 『The Hot Rock』(1999)
ビキニ・キルの影響下にあるKRSらしいライオット・ガールズ・バンドが発表した4作目。初期の暴力的でアンダーグラウンドなパンク・サウンドとは打って変わって、ガレージ・ロック色濃厚なポップさでもってより幅広い層に受け入れられた。
(冨田)

ESSENTIAL LOGIC 『Fanfare In The Garden』 
元Xレイ・スペックスのサックス奏者であるローラ・ロジックが78年に結成したバンドのアンソロジーは、いまこそ聴くべきアヴァン・ファンクネスが炸裂! KRSは他にもデルタ5やリリプットなど、ガールズ・ニューウェイヴ・バンドのリイシューもがんばっている。
(村尾)

THE DECEMBERISTS 『Castaways And Cutouts』(2003)
オレゴン州ポートランド出身の5人組によるデビュー作。一聴すると耳に心地良い牧歌的なムードを漂わせているが、実際は奇妙な音階が多用されていて、プログレッシヴでシアトリカルな印象も。そんなネジれたポップ感覚がかなりKRSらしいと言えるだろう。
(冨田)