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第4回 ─ スチャダラパー『5th WHEEL 2 the COACH』~ヒップホップと渋谷系の間で

第4回 ─ スチャダラパー『5th WHEEL 2 the COACH』~ヒップホップと渋谷系の間で(2)

連載
サ イ プ レ ス 上 野 の LEGEND オブ 日 本 語 ラップ 伝 説
公開
2008/03/06   18:00
テキスト
文/東京ブロンクス


当時、ボーズ氏が被っていたものと同じキャップ。「サイズがちっちゃくて中を切って無理やり被った(笑)」(上野)

上野 『5th~』のツアーに行った時に、女の子の多さにマジでびびった。グッズ売り場とかすご過ぎて。

ブロンクス それなのに、そういうファンも〈ドラえもん工場〉*4とか言ってディスっちゃう(笑)。やっぱそう考えると、『5th~』はミーハーなファンを引き離しにかかってるよね。
*4 『5th WHEEL 2 the COACH』収録“From喜怒哀楽”中のフレーズ。

上野 「BOSE君、なんか今回おかしくない?」とかって言われるような。

ブロンクス スチャダラが、バリバリに王子様だった時期のオザケンと「オールナイトニッポン」をやったことがあったんだけど、そこでスチャダラがクラシックな曲をかける〈Doowutchyalike〉てコーナーをやってて。ひたすらゴリゴリのヒップホップを紹介してて熱かったな。

上野 あーそれは聞いてなかったなあ。

ブロンクス まあ、それも桑沢のオリーブ少女だった女の子にテープをもらって聞いてたんだけどさ(笑)。

上野 愛憎入り混じってるなあ(笑)。

ブロンクス いや、当時は別に〈渋谷系〉って言葉に恥ずかしさを感じてなかったから、自分はB-BOYで渋谷系だと思ってたんだよね。俺らは渋谷系をスチャダラ中心に見てたから。コーネリアスとか小沢健二もサンプリング的というか、ベックみたいな感じで捉えてたし。でも振り返ってみると、渋谷系の格好ってフレンチな感じでB-BOYではないよね。オリーブ少女とカジヒデキもどき、みたいな。

上野 確かにそこは全然違ったね(笑)。「カジくん」とか言ってる女、いっぱいいたもんなあ。当時そういう子と付き合ってました。

ブロンクス (爆笑)。

上野 俺はスチャダラが好きって言ってて、相手はカジくんが好き、みたいな。当時はそういう女の子が好きだったのかなあ……。

ブロンクス 当時からそういう子の中にもかわいい子いたもんね。

上野 いましたよね。でもそういう子はその中でもモテちゃうからね。

ブロンクス そういや桑沢に行ってるような男はみんなタイトでフェミっぽい格好でさ。こいつらとはつるめねえって思ってるのに俺も学校の女の子とカフェとか行っちゃって。

上野 それは否めないっすね(笑)。

ブロンクス スチャダラは裏原系ブランドとWネームでTシャツとか作ってたよね。

上野 ボーズさんが履いてたナイキのエアミッションとか、すげえかっこよかったもんな。

ブロンクス まあそういう色んな方面を気にしてたから、このアルバムが出来たんだろうね。俺は“From喜怒哀楽”が一番好きだったな。

上野 “From喜怒哀楽”は、それこそオリーブ少女が聴いても全然わかんないって感じですよね。

ブロンクス あと、このアルバムって言ったらナオヒロックじゃん!

上野 そうだそうだ。このアルバムにナオヒロさんが参加してて、それとまったく同じことを俺らのアルバムでもやってもらったっていう(笑)。


ナオヒロック&スズキスムースのシングル“Everybody Loves The Sunshine”。残念ながら廃盤

ブロンクス ナオヒロック&スズキスムースは、当時のヒップホップ状況の中でも、かなりおかしいシングルを出してたよね(笑)。

上野 あのリリースは完全に悪ノリでしたよね(笑)。シャカゾンビのシングルとほぼ同時期に出て、シャカは大型新人みたいな扱いだったけど、ナオヒロさんのは全然相手にされてなくて。でも、その後ファンキーDLが同じネタを使ったから再評価、みたいな。とことんツイてない(笑)。

ブロンクス 当時のラップで韻すら踏んでないってのは相当珍しいよね。でも上ちょのアルバムのやつもそうだけど、ナオヒロさんは一発フリースタイルをやらせるとすごいよね。スチャダラの10周年ライヴの時かなあ、フリースタイルで「昼間の渋谷は俺のエリア」って言っててマジやられた(笑)。

上野 そのフレーズはヤバい(笑)。レコーディングの時も、ナオヒロさんの瞬発力はやっぱすごいなあって思いましたね。ほぼ一発録り。で、レコーディング終わったら速攻で帰った(笑)。


『5th WHEEL 2 the COACH』の特典グッズだったランチ・ボックス。「1回、本当に弁当詰めて使ったな~」(上野)。

ブロンクス このアルバムってシングルが3枚も切られてるんだよね。

上野 “ドゥビドゥWhat?”と“From 喜怒哀楽”、“サマージャム'95”。

ブロンクス それも短冊シングル(笑)。いまどき3枚もシングル切るヒップホップ・アルバムなんてないよね。

上野 “サマージャム'95”はダイアモンドDがリミックスやってましたからね。

ブロンクス それだけのヒット作ってことだよね。

上野 “サマージャム'95”聴くと、野球の部活の帰りに、すげえ走らされまくって、辛かった頃を思いだすんすよねえ。夏が来る、みたいな。

ブロンクス 思い出と共にっていう。この年から始まって、一体何百本の〈サマージャム'○○〉ってテープが作られたんだろうっていう。

上野 ユウさん(YOU THE ROCK★)も「“サマージャム'95”やべえぞ」って言ってて。

ブロンクス 「あっ、こっちの人もいいって言ってくれるんだ」って思ったよね。勝手に喜んじゃって。

上野 「ユウさんも認めてくれた!」って(笑)。マジで失礼な話だけど。

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