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第73回 ─ ウィチタ

LOS CAMPESINOS!

連載
Discographic  
公開
2007/12/20   22:00
ソース
『bounce』 293号(2007/11/25)
テキスト
文/白神 篤史


 バンド結成直後の2006年にブロークン・ソーシャル・シーンと共演するなど、素晴らしい走り出しを見せたウェールズ出身の男女混合7人組、ロス・キャンペシーノス!。そんなマジカル・ポップ集団と、壮絶なるレーベル間の争奪戦の末に契約を交わしたのがウィチタだった。もともとメンバーがレーベルに好意を持っていたことが決め手となったらしいが、このケースからもわかるように、ウィチタはアーティスト側からも絶大な信頼を集めているのだ!

 さて話題をバンドに戻すとして、USではすでにリリースされているファースト・ミニ・アルバム『Sticking Fingers Into Sockets』がこのたび日本盤化された。ペイヴメントを崇拝しているとの言葉どおり強靭なインディー精神を纏い、ゴー!チームの煌めきとミステリー・ジェッツ級のストレンジなポップネス、アーケイド・ファイアばりの疾走感を併せ持った、まるで巨大なおもちゃ箱のようなミラーボール・サウンドをここでは掻き鳴らしている。現在ウィチタがもっとも力を入れている新人が彼らというだけあって、レーベルからの強い後押しを受け、12月には早くも来日公演が決定。年明けに完成予定のファースト・フル・アルバムを待たずして、ここ日本でも異様な盛り上がりを見せているところだ。外見はそのへんの大学生みたいだけど、音のユニークさはハンパないよ!