歌って踊って大騒ぎしたくなる、アウトキャストの主演映画がDVDで登場!

おまっとうさま。日本未公開に終わっていたアウトキャスト主演の映画「アイドルワイルド」がめでたくDVD化! キャブ・キャロウェイの“Minnie The Moocher”を引用して驚かせてくれた彼らの同名アルバムの世界が、やっと観られることとなりました。
映画の舞台は30年代。主人公は葬儀屋の息子のパーシヴァル(アンドレ3000)と、ギャングの叔父に育てられて歌手となったルースター(ビッグ・ボーイ)。住む世界は違うが2人は幼馴染み同士で、音楽業界での成功を夢見るパーシヴァルはルースターの口利きでピアノ弾きの仕事もこなしている。ストーリーは2人の生活が交錯するキャバレーを舞台に、その店の利権を巡るギャングの抗争や美人女性歌手のエンジェル(ポーラ・パットン)などが絡んで進行していく。そのエンジェルの歌は吹き替えで、担当は知る人ぞ知るR&B界の才女、デブラ・キリングス。また、ステージでラッパ飲みするビッチな女性歌手役にメイシー・グレイを配置。しっかりと歌ってくれ、〈やっぱこの人は現代のブルースの女王だわ〉と痛感させられる。大物歌手役でチラリ登場のパティ・ラベルも、ぶうぶう文句を言うだけながら貫禄を見せます。そして、大きな出番はないが、フィッシュボーンのアンジェロ・ムーアがキャブ・キャロウェイのような髪型を振り乱してオーケストラを指揮。エキセントリックでお似合いだ。
本編の語り部であるパーシヴァルが、葬儀屋の仕事を通じて人の一生の最期を見つめてきたという複雑な人物造形ゆえに、映画のトーンは微妙に暗く、苦かったりもする。しかし当然のことながら、華やかな音楽と踊りは大きな観どころ。で、おもしろいことに、ルースターの〈歌〉はあの時代ではありえないラップだし、ダンスもスウィングと現代のヒップホップのそれを掛け合わせたもの。30年代の忠実な再現ではない。でもそれが逆に、黒人音楽やダンスの途切れることのない大きな流れを実感させてくれるのだな~。拍手!
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