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第16回 ─ LATIN ROCK

第16回 ─ LATIN ROCK(3)

連載
Di(s)ctionary
公開
2007/08/23   13:00
更新
2007/08/23   15:55
ソース
『bounce』 289号(2007/7/25)
テキスト
文/桑原 シロー

III その後の流れと、現在の音楽シーンに見るラテン・ロックの影響力

 さて、ラテン・ロックの魂はその後の音楽シーンでどんなふうに継承されていったか。まず、LAのチカーノ、ラティーノたちによる、オゾマトリやスロウライダーといったミクスチャー・ロック・バンドは、過去の偉大なラテン・ロッカーたちにリスペクトを捧げる音作りを行っているね。また、西海岸のフロストやサイプレス・ヒル、ALTといったラッパーたちも同じく、自分たちがチカーノであることの誇りを示すのにラテン・ロックへのアプローチを行っているよ。サンプリング・ソースにラテン・ロック曲を用いたりしてね。で、最近のバンドで正統な後継者は、テハーノ(テキサスのメキシコ系アメリカ人)のロス・ロンリー・ボーイズ。ラテン色濃厚なブルース・ロックは、カルロス親分のお墨付きだ。さて、日本に目を転じてみよう。90年代以降に出てきたクラブ・シーンとリンクするバンドに、ラテン・ロックへのシンパシーを発見することが多くなった。例えばTHEATRE BROOK、copa salvo、SLY MONGOOSEなどの音楽にはかなりエッセンスが感じられるな。そこにはラテン・ロックがレア・グルーヴ・ムーヴメントで再評価されたって事実が関係しているのかも。そうそう、日本のラテン・ロック推進者といえばクレイジーケンバンドを忘れちゃいけない! 愛情溢れるラテン・ロック曲を披露していたね。
▼関連盤を紹介。


チカーノ・ラッパーたちが大集合したラテン・アライアンスの91年作『Latin Alliance』(Virgin)

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