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第136回 ─ Fanfare Ciocarlia

連載
NEW OPUSコラム
公開
2007/04/26   19:00
ソース
『bounce』 286号(2007/4/25)
テキスト
文/大石 始

ジプシー・ブラス界を牽引する凄腕オヤジたちが、さらにパワーアップして大爆走!


 壮絶なグルーヴ、ラフ&タフなブラス、ジプシーの哀愁……人呼んで〈キング・オブ・ジプシー・ブラス〉、ファンファーレ・チョカリーアは、世界中で愛されるジプシー楽団だ。インドはラジャスターンを起源に持つとされ、ヨーロッパ各地に離散するジプシー(ロマ)の音楽はたびたび注目を集めてきたが、近年ますます元気。なかでも彼らの突進力と荒唐無稽な音楽性は群を抜いたものだ。

 彼らの出身地は、モルドヴァ共和国にもほど近いルーマニアの小さな村、ゼチェ・プラジーニ。人口わずか400人のジプシーの村で、その多くがブラスの演奏をこなすというユニークな土地だ。90年代半ば、2人のドイツ人が彼らを〈発見〉したことをきっかけに、村人を組織してバンドとしてスタート。98年にデビュー作『Radio Pascani』を発表すると、乱暴な荒くれブラスがヨーロッパを中心に大きな話題となり、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスらと共に世界的なジプシー旋風を巻き起こすこととなった。その後2枚のアルバム・リリースや彼らを追ったドキュメンタリー映画「炎のジプシー・ブラス~地図にない村から」の公開を経て、このたび届けられたのが彼らの新作『Queens And Kings』。創設者である故イオン・イヴァンチャとその妻がジャケを飾る今作は、彼らのチャーム・ポイントである暴走ブラスはそのままに、フラメンコあり、ディスコ・パンクあり、そしてステッペンウルフ“Born To Be Wild”のムチャなカヴァーあり……と、これまで以上にその音楽性を自由奔放に広げた内容。エスマやシャバン・バイラモヴィッチといったジプシーの大御所から、ミツーラを率いるミツーやルンバ・フラメンコのカルームなどが参加し、曲ごとにさまざまなタイプの歌い手が自慢のノドを聴かせてくれるのも楽しい。なお5月には、彼らのほかコチャニ・オーケスターやシャンテルの楽曲も使われた、全米で特大ヒット中の映画「ボラット」が公開されるし、ジプシー音楽への注目度がさらに高まりそうな気配もある。そのなかでも極めつけの一枚となるのが今作なのだ。

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