2 それでは実際に聴いてみよう! その1
ALTON ELLIS 『Mr. Soul Of Jamaica』 Tresure Isle(1968)
甘く伸びやかな歌声が魅力の、ジャマイカン・ソウルの帝王。〈ロックステディ〉という言葉は、彼のヒット曲“Rock Steady”(本作未収録)で歌われたダンスのスタイルに由来するとか。トレジャー・アイルより発表された本作には、代表曲“Willow Tree”などを収録。
LYN TAITT & THE JETS 『Hold Me Tight:Anthology 65-73』 Trojan
アーネスト・ラングリンと並んで初期ジャマイカ音楽のサウンドを支えた、トリニダード生まれのギター・プレイヤー。本作は彼が自身のグループを率いて録音したナンバーを集めた2枚組で、“Napoleon Solo”など名曲を満載している。
JACKIE MITTOO & THE SOUL VEN-DORS 『Evening Time』 Studio One(1967)
4歳にしてスカタライツに参加。解散後はスタジオ・ワンのサウンドを一手に担った鍵盤奏者。本作は自身のバンドを従えて制作したインスト名盤。なお、60年代末に彼がカナダへ移住したことで、ロックステディは終わりを迎えたとされる。
DERRICK MORGAN 『Moon Hop:Best Of The Early Years 1960-1969』 Trojan
スカの時代から活躍したシンガー。スキンヘッド・レゲエのアンセム“Moon Hop”が有名だが、ロックステディ期にも艶のある歌声で名唱をいくつも残している。男が普段は見せないセンチな横顔を歌わせたらピカイチ!?
KEN BOOTHE 『Mr. Rocksteady』 Studio One(1968)
ストレンジャー・コールとのデュオでヒットを飛ばした後、ソロ・シンガーとしてコクソン・ドッド主宰のスタジオ・ワンからリリースしたファースト・アルバム。〈ミスター・ロックステディ〉の名のとおり、コブシの効いた歌声に悲哀漂う独特の味わいが。
PHYLLIS DILLON 『One Life To Live』 Tresure Isle(1969)
ロックステディ期の女性シンガーといえばこの人。ややハスキーで哀愁を帯びた歌声が魅力の彼女は、デューク・リードのもとで“Perfidia”“Don't Stay Away”など多くのヒットを生んだ。ビートルズやカーペンターズの直球カヴァーもイナタくてグー。