音楽という音楽にファンクを生挿入してきたダイナマイト親父の周辺を探る連載スタート!
昨年の聖夜、ジェイムズ・ブラウンが心不全のためアトランタでこの世を去った……な~んて訃報を真に受けてしまった人々は多いだろう。が、そんなはずはない! かつてLAスタイルなるユニットが“James Brown Is Dead”なるバチ当たりな楽曲を発表したことがあったが、それもこれもジェイムズ・ブラウンが永遠の存在たればこそ許された冗句なのである。ちなみにトミ・レイ夫人をはじめとする遺族の皆さんは遺産を巡って大モメ中らしいが、そもそもそういう行為自体が馬鹿げている。なぜなら、ジェイムズ・ブラウンは生きているのだから。〈みんなの心に生きてるよ!〉とか言いたいわけじゃない。日本の山河に八百万の神がいるように、JBは世界中の音楽のなかに厳然と存在しているのだ。
ということで、やや文章が破綻気味になってきているが、至るところに存在するジェイムズ・ブラウンの姿を探し求めて、現在と過去の音楽を行ったり来たりするのがこの連載の主旨でございます。何でもかんでもファンキー!とかゲロッパ!とかで片付けられがちなJB世界だけど、ヒップホップもジャズもアフロビートもロックンロールもブルースもパンクもアメリカもヨーロッパも日本もモッズもディスコも勝新もアリも全部引っくるめて、多方面からJB生存の証拠物件を揃えているところだから、読者の皆さんはケツを鍛えて乞うご期待! まだJBを休ませるわけにはいかないぜ。