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第10回 ─ ROCK'N'ROLL

第10回 ─ ROCK'N'ROLL(4)

連載
Di(s)ctionary
公開
2007/02/15   22:00
ソース
『bounce』 283号(2006/12/25)
テキスト
文/小出 斉

III その後の流れと、現在の音楽シーンに見るロックンロールの影響力

 1限目が半端なところで終わってしまったので補習! 59年にホリーが事故で亡くなったのと前後して、チャック・ベリーの淫行事件などの不祥事の影響や猫も杓子も的なブームの反動で、ロックンロールは一気に失速し、より安全でポップなものがメインストリームで復活したものだ。だが、60年代中頃には、ロックンロールのエキスをたっぷり吸ったビートルズ、ローリング・ストーンズ、キンクスといったブリティッシュ・ビート・バンドがアメリカにも進出。一方ではロックも芸術性を強めていくのだが、74年にもなって、ストーンズが〈It's Only Rock'n'Roll!〉と高らかに歌ったのは痛快だったな。

 70年代後半にはパンクが登場するが、これはさしずめロックンロールの孫。反抗的なエネルギーを音楽に投影する精神や、ラモーンズ、セックス・ピストルズなんぞの1曲3分でズドドドと突き進む世界など、ロックンロールを正統に受け継いでいるのだぞ。最近で言えば、ストロークスとかリバティーンズ周辺あたりがいい例だな。ロカビリー→ネオロカの流れも押さえたいところだが……まぁ、人類が滅亡しない限り若者は生まれ続けるのだから、時代によってカタチは多少変わっても、ロックンロールは決して死なないのじゃ。ムハハハ。では、今日の講義はこれにて終了。
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