ここでは、新たに嬉しい紙ジャケでのリイシューとなった、一度は遭遇するべき良質な日本の名盤たちへと案内しま~す!
まずは70年代前半におけるインディー・レーベルの先駆け、エレックからの4タイトル。日本でもっともロックしてロールする最高のギタリスト=山口富士夫と、滑らかで危ない言語感覚による歌詞とぶっきらぼうな歌いっぷりが最高のヴォーカリスト=チャー坊らによる、ストーンズばりにルーズでワイルドでスリリングなサウンドを楽しめるのが村八分の73年作『村八分ライブ』。日本ロック史にその名を刻む大名盤だ。その山口富士夫による74年のソロ・アルバム『ひまつぶし』も、ゴキゲンなロックンロールやブルースに切ないバラードも楽しめる名曲だらけの一枚。シンプルでストレートな歌詞とシブく味わい深いヴォーカルが胸に突き刺さりまくるよ。
お次はご存知、後にRCサクセションに参加することになるチャボこと仲井戸麗市と加奈崎芳太郎によるアコースティック・デュオ、古井戸が75年に発表した初期ベスト盤『古井戸イエスタデイズ』。優しいメロディーに乗った、都会に生きる若者の瑞々しい青春の感性が時代を問わず心に染み渡る、曽我部恵一ファンやギター・ロック・バンド好きにも聴いてほしい一枚だ。一方、同年作である泉谷しげるの初期ベスト盤『泉谷しげる・メモリアル』では、フォーク・ギター片手に怒鳴り散らかしたりぼやいたりで大忙しな泉谷の〈話芸〉をとことん楽しもう。
男たちの泥臭いロック~フォークから一転、今度はオシャレでスタイリッシュで都会的な女性ヴォーカル2人。デビュー前の佐野元春との共作で有名な佐藤奈々子の77年作『ファニー・ウォーキン』と同年の『スウィート・スウィンギン』は、遊び心に溢れたジャジーでフォーキーでちょっとノスタルジックな大人サウンドと、ファニーなウィスパー・ヴォイスが魅力のJ-Pop名盤だ。さらに、大貫妙子のRCA時代(78~84年)の6タイトルも一気に登場。特に坂本龍一と組んだ〈ヨーロッパ3部作〉と称されるうちの80年作『ROMANTIQUE』と82年作『CLICHE』は、透明感のある彼女の歌声と珠玉のメロディー、そして洗練された優美なサウンドが高い完成度を見せる、こちらも不朽のJ-Pop名盤だよ!!