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第13回 ─ デジタルミュージックガイド 2007 その4 - スペシャル総括対談

第13回 ─ デジタルミュージックガイド 2007 その4 - スペシャル総括対談(3)

連載
bounce.com 5th Anniversary
公開
2007/01/12   14:00
更新
2007/01/12   20:39

――では、そのほかに注目しているサービスはありますか?

田口 とりあえずZuneかな。本気のマイクロソフトがどこまでアップルに追いつけるか。アメリカではけっこう売れているみたいですね。日本での展開はまだ未発表ですが。

――Zuneはどんなところが新しいんでしょうか?

田口 漠然とした情報ですが、〈iTunes + iTunes Store + iPod〉的な機能に加えて、SNSやメッセンジャーなどの機能もハードには組み込まれています。とくにSNSには力を入れているようですね。しかし、アップルも先日iPhoneという、iPodと携帯電話とポータブル・インターネット・デバイスを複合したハードを発表し勝負をかけています。あくまでPCを持っていることが前提のマイクロソフトの勝ち目はかなり薄いんじゃないかな、と思いますね。

――昨年は、iTunesのプレイリストを使ったサイトが結構出てきましたよね。

田口 PandoraLast.fmのようなレコメンド系サービスはけっこういけるかな、とは思ってたんですが。

タクヤ プレイリストには価値があると思います。今は音楽配信の普及によって楽曲がまた1曲単位で聴かれるようになってきて、昔のシングル盤の時代に戻っているというか。そこで著名人が推薦するプレイリストが提供されるというのは自然な流れですよね。

田口 単純に人のプレイリストは面白いですよね。

タクヤ 〈○○さんが選んだ10曲〉というリストがウェブで発表されるのは、その人の選曲したカセットテープをもらうのと同じですもんね。iTunes StoreでCorneliusのプレイリストが公開されたときは、まるごと買おうかと思った(笑)。ただサービスにもよりますが、全体的に邦楽はまだまだ曲数が少ない気が……。新しいサービスに邦楽がうまく乗っかってくれないのは、権利的なところが障壁になっているからですよね。

――今日は権利の話が多いですね(笑)。

田口 いや、避けては通れないでしょう。

タクヤ 技術的にOKなのにやれない、というのが一番もどかしいです。

田口 シビアな話をすると、音楽配信を主とするネットの普及は音楽業界生き残りの最後のチャンスだと思うんですよ。大人の事情は重々承知ですが、もうグダグダ言ってる段階じゃないと思うんですよね。

――では最後に、今後あったら便利だなと思うサービスについて、それぞれのご意見をお伺いできますか。

田口 ぼくは洋邦含め、すべての音源がNapsterに登録されて、検索システムがもうちょっと洗練されたら何も要りません(笑)。あとはよりインテリジェントなレコメンド・システムですね。「これを聴いてる人はこれも聴いてるからお前も好きだろ」だけじゃなく、もっと色々な。

タクヤ サービスとはちょっと違うのかもしれないけど、今ほどヘッドフォンが重要視されてる時代ってないと思うんですよ。それなのに、いつもあの絡まるコードを気にしてるのが嫌で嫌で。もっと快適でかっこいいヘッドフォンをどこかが開発してくれないものかと思いますね。

田口 ヘッドフォンだと、人の耳あかを気にせずに店頭で試聴できる仕組みがあるといい(笑)。

タクヤ それは欲しいですね(笑)。

PROFILE

田口和裕
ブログやmixi、googleなどウェブサービスやNapster、iTunesなどの音楽配信サービスの紹介を得意とするIT系フリーライター。パソコン誌や音楽誌、IT系ウェブサイトを中心に幅広く執筆、著書も多数。最近は旅行関連の原稿も増えている。近著に「大人のカスタマイズ旅行術・アメリカ編(メディア総合研究所刊)」がある。
http://www.rickdom.com/

タクヤ(ミュージックマシーン)
邦楽ニュースサイト〈ミュージックマシーン〉主宰。美勇伝から村八分まで幅広い情報を扱うメディアとして多くの読者の支持を集める。サイト運営だけでなく音楽ライター、イベント企画、ネットラジオパーソナリティなど、さまざまな分野で活動中。
http://www.musicmachine.jp/