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第8回 ─ GARAGE

第8回 ─ GARAGE(4)

連載
Di(s)ctionary
公開
2006/11/09   23:00
ソース
『bounce』 281号(2006/10/25)
テキスト
文/轟 ひろみ

3. その後の流れと、現在の音楽シーンに見るガラージの影響力

 87年に〈パラダイス・ガラージ〉が閉鎖し、ラリー・レヴァンも92年に亡くなってしまうんだ。一方で、世界中に広まっていったガラージ・ハウスは当然のように多様なスタイルとのミクスチャーを果たし、その範疇を拡大しながらいまも現在進行形のハウス・フォーマットであり続けている。それは2時間目で紹介したとおりだよ。マスターズ・アット・ワークによるニューヨリカン・ソウルのように、ガラージの根源に立ち返るプロジェクトもあったし、ロレッタ・ハロウェイをフィーチャーするなどして名曲を連発したGTSも過去と現在のガラージ感覚を繋ぐ存在として重要だ。一方、UKへ渡ったガラージは本道も発展したけれど、そこから枝分かれしたスピード・ガラージが90年代後半に2ステップ(・ガラージ)へと発展し、クレイグ・デヴィッドやMJコールらの活躍で大きくなったんだ。そうやって4つ打ちのビートが放棄されて以降の〈UKガラージ〉は、ブレイクビーツ化したものを指すことが多くなった。それがさらにソー・ソリッド・クルーやディジー・ラスカルの台頭を受けて、ハイブリッドなUKヒップホップ=グライムへと至るわけだ。起源を知ればどこがガラージ?とも思うけど、ラリーが標榜した自由な精神はそこに存在しているはずだ(強引)。で、ラリーの精神面を受け継ぐ存在としては、日本のDJ NORIや長谷川賢司といったDJ陣も忘れちゃいけないね!
▼関連盤を紹介。


MJコールの2000年作『Sincere』(Talkin' Loud)


長谷川賢司のミックスCD『colors of time 02 non-stop mixed by Kenji Hasegawa~perfume of the earth~』(Rhythm Republic)

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