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第57回 ─ ストーンズ・スロウ10周年!!

第57回 ─ ストーンズ・スロウ10周年!!(3)

連載
Discographic  
公開
2006/11/02   18:00
更新
2006/11/02   21:59
ソース
『bounce』 281号(2006/10/25)
テキスト
文/河野 貴仁、出嶌 孝次

WILDCHILD 『Secondary Protocol』(2003)
野性のジャッカルのごとく襲い掛かるラップはとびっきりワンダフル。新作が出る気配のない所属グループ=ルートパック直系のストイック路線もイケるけど、“Bounce”などのアップ・ビート系も美味しく頂戴できる。これも必聴!
(河野)

DJ RELS 『Theme For A Broken Soul』(2004)
レーベル初のブロークン・ビーツ作品……って、これまたやりたい放題なマッドリブの変名プロジェクト。これ以降もヤツはサウンド・ダイレクションズやビート・コンダクターなどの名義を駆使してアルバムをリリースしております。
(出嶌)

GARY WILSON 『Mary Had Brown Hair』(2004)
PBW憧れの存在だったからか、70年代NYの地下カルト・ヒーローもストーンズ・スロウと契約。サイケな電波が飛び交う怪しくも蠱惑的な元祖ノーウェイヴ的なガジェット・ポップを聴けば、ベックとかがチョロく思えてくるよ。
(出嶌)

KOUSHIK 『Be With』(2005)
フォー・テットのリミックスやマニトバとの共演でも知られる、カナダはオンタリオのナード&サイケなビート職人。このファースト・アルバムも緩やかな歌心を備えた筆捌きで、ジャケそのままのチャイルディッシュなダウンテンポを描き出している。
(出嶌)

MED 『Push Comes To Shove』(2005)
ソロ・アルバム待望論が日増しに膨れ上がるなかで登場した、メダフォア改めMEDのファースト・アルバム。ジャスト・ブレイズの参加もトピックのひとつには違いないけど、志ん生の落語みたいに絶妙な間合いのフロウにヤラレること必至!
(河野)

ALOE BLACC 『Shine Through』(2006)
エマノンの片割れ、アロー・ブラックの初ソロ・アルバム。ソウルフルなラップと滋味深い歌を自在に操り、マッドリブとオー・ノーが1曲ずつ手掛けた以外はセルフ・プロデュースという才能にもビックリ。西海岸のエース候補最右翼でしょう。
(出嶌)

BARON ZEN 『At The Mall』(2006)
PBWが参加していたスウィート・スティーヴのバンドによる89~91年録音の楽曲集……とは思えない、PILとDFAの狭間に生まれていた先取りディスコ・パンクに大興奮! ジョイ・ディヴィジョンやデビー・デブのカヴァーもハマリすぎです。
(出嶌)

J DILLA 『Donuts』(2006)
ジェイリブ名義作に続くストーンズ・スロウ発のリーダー・アルバム。病床で制作されたというしんみり噺はさておいても、この作品がサンプリング・コラージュ手法のひとつの到達点を示しているという事実に疑いの余地はナシ。黒くて優しい名作品だ。
(河野)

GEORGIA ANNE MULDROW 『Olesi : Fragments Of An Earth』(2006)
いまもっとも注目すべきアングラ・ヒロインへ一気に昇格! 2004年の自主EP後はサー・ラー周辺で名前を見た自作自演型シンガーで、ストーンズ・スロウのイメージすら刷新し得る豊穣な世界観を垣間見せてくれる。
(出嶌)

OH NO 『Exodus Into Unheard Rhythms』(2006)
温故知新な価値観で音作りに励むマッドリブに対し、この弟はより時流ノリのトラック制作に精を出している……のだが、レーベルゆかりのメンツ総出演とも言える本盤は、アノ先人の音源のみを用いて構築されたコンセプト作品!
(河野)

ROC 'C' 『All Questions Answered』(2006)
オー・ノー“Move”で脚光を浴びたオックスナード・ファミリー構成員のファースト・アルバム。デビュー時のイグジビットを思わせる骨太なラップには、レーベル・カラーとは無関係な男臭いカッコ良さが全開だ! ビジー・ボーンも登場。
(出嶌)