〈ディラン・ディラン〉のお喋りキーワード解説
※1.前作
2001年の〈9.11〉にリリースされたディランのアルバム『“Love And Theft”』(Columbia)のこと。
※2.自伝
2004年に出版(翻訳版は2005年)され、世界中で大ベストセラーを記録している「ボブ・ディラン自伝」(ソフトバンククリエイティブ)。ミステリアスで神性を纏った存在であり続けたディラン自身による謎解き的内容がファンの間で話題となっているほか、ノーベル文学賞候補者らしく一流の文学作品としても楽しめる。今後、第3弾まで刊行される予定。
※3.チャップリンの映画
ディランの新作と同名の、チャールズ・チャップリン監督・脚本・主演による36年作「モダン・タイムス」(ジェネオン)のこと。機械文明による人間性の喪失に警句を発し、人間の本当の希望がどこにあるのかを強く訴えた不朽の名画。
※4.〈ノー・ディレクション・ホーム〉
正式タイトルは、「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」(パラマウント)。激動の60年代において、いかにディランの存在がポップス・シーンを超えて社会現象にまで巨大化したのか、また時代の寵児として奉り上げられる一方、本当のディラン自身の姿(思い)とはどういったものだったのかを、“Like A Rolling Stone”という象徴的な曲を真ん中に据えて描いた、マーティン・スコセッシ監督による2005年作。ディランの貴重なインタヴューや当時の壮絶なライヴ映像がたっぷりと収録された、3時間半にも及ぶドキュメンタリー。
※5.〈Like A Rolling Stone〉
ディランの代表作のひとつである65年作『Highway 61 Revisited』(Columbia)のオープニングを飾るナンバーで、ディランの代表曲であり、ロック史を語るうえでも外せない一曲。この40年間、その斬新なサウンド面でも歌詞の面でも、この曲を聴く世界中の人たちに衝撃を与え続けている。
※6.この本
2006年6月に翻訳版が刊行されたばかりのグリール・マーカス著「ライク・ア・ローリング・ストーン」(白夜書房)のこと。“Like A Rolling Stone”誕生までの詳細なドキュメントで歴史的資料価値もある。
※7.みうらじゅんの本
みうらじゅん責任編集による新刊「みうらじゅんマガジン vol.1」(白夜書房)。今回は〈ボブ・ディラン特集〉で、サンボマスターや井上陽水らとの対談などを収録。みうらじゅんの〈ディラン愛〉に満ち溢れた一冊。
※8.〈ボブ・ディランの頭のなか〉
ディランが脚本にも深く携わり、ミュージシャン役として主演した2003年公開の映画「Masked And Anonymous」の邦題(松竹)。ディランの歌詞そのまんまの荒廃した近未来が舞台で、ライヴ・シーンも多く収録されている。