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第2回 ─ 〈FUJI ROCK FESTIVAL 06〉予習ディスク・ガイド

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 06
公開
2006/07/20   13:00
更新
2006/08/10   23:16
テキスト
文/bounce.com編集部

開催10年目を迎えたFUJI ROCK FESTIVAL。今年も100組以上のアーティストが出演し、昼夜を問わず3日間に渡っての大宴会が繰り広げられることでしょう。そんな日本の夏フェスを代表する〈フジロック〉の出演アーティストの中から、bounce.com編集部がオススメするアーティストのディスクをピックアップしてご紹介します。

7月28日(金)に出演するアーティストの作品を紹介

FRANZ FERDINAND
『You Could Have It So Much Better』
Epic(2005)

  やっぱりタダ者じゃなかった。本国でのデビューから1年半という短い間隔が彼らの創造欲と熱意を示しているとおり、 敏腕リッチ・コスティとの共同プロデュースによって全側面でスケールアップした2作目。とにかくライヴ感が大幅に増し、テンション漲る恐ろしく鮮明な音が迫りくる。そして、引き続きキャッチーなフランツ流〈踊れるロック〉を基本にしつつも、アコギやピアノを使った60年代ポップ調の楽曲群を違和感なく織り込み、メロウな表情も披露。そんなサウンドの多様化に伴って感情表現の幅も広がり、相変わらず興味深いキャラが各曲を彩るが、アレックス・カプラノスの等身大の想いも以前より強調されている。それがもっとも顕著なのが、〈努力すればもっと多くを得られる〉と挑戦的に訴えて、バンドの姿勢を総括する表題曲。そう、斜に構えたインテリ集団ではなく理想主義に燃える情熱家という素顔を、本作は突き付けている。(新谷 洋子 bounce 2005年10月号掲載)

JET
「Family Style」
ELEKTRA/WMV(2004)

  〈ジェット=ライヴ・バンド〉という至極当然な公式を、イヤというほどわかりやすく解説してくれる参考書的ライヴDVD。ハコは小さくセットもシンプル、メンバーもヒゲを生やし放題と、ここまでラフなステージが何でこんなにカッコイイのか不思議! 爆音とシャウトだけで〈グラストンベリー〉や〈フジロック〉を魅了したその腕っ節は伊達じゃないです。アタマからラストまでビールが手放せませんよ、これは!!(加賀 龍一 bounce 2000年01・02月合併号掲載)

ASIAN KUNG-FU GENERATION
『ファンクラブ』
キューン(2006)

  1年5か月ぶりとなるサード・アルバムは、楽曲のクォリティーの高さ、バンドの勢い、ヴォーカルの強さがハンパじゃない。豊かなエモーションを昇華したギター・サウンドはさらに力強くポップになり、まるで協奏曲のように始まる3拍子の“暗号のワルツ”や、いちばん最後にサビがくる“センスレス”など、楽曲も多彩になっている。吐き出される言葉には現実と非現実が交錯しつつ、深く心に突き刺さってくる。最高傑作!(古田 琴美 bounce 2006年4月号掲載)

DONAVON FRANKENREITER
『Move By Yourself』
Lost Highway(2006)

  老舗レーベル=ロスト・ハイウェイへ移籍してリリースされた待望のセカンド・アルバム。優しさ溢れるオーガニックな雰囲気はそのままに、爽やかなヴォーカルと壮大なストリングスやオルガンを採り入れたファンキー&グルーヴィーな楽曲がさらなる開放感を誘います! これは60'sロックの自由な感性を受け継ぐ彼だからこそ作れたサウンドであり、それらは他の追随を許さない完成度を誇っているのです。(まちだ ゆうき bounce 2006年06月号掲載)

TOMMY GUERRERO
『Year Of The Monkey』
RUSH! PRODUCTION(2005)

  ジェット・ブラック・クレヨンでの来日公演や、トーマス・キャンベル(今作ではアートワークを担当)のサーフ・ムーヴィー「Sprout」のサントラでのジャック・ジョンソンらとの共演を経て、トミー・ゲレロが久々に本人名義で発表するEPは、見事なまでにゆらめく音響とメロウだがキレの良いギタープレイを聴かせてくれる。シンプルでユルいだけが彼のすべてじゃないってことを見せつける充実の内容に、彼のカリスマ性を見た。(富田 純司 bounce 2005年01・02月合併号掲載)

BLACKALICIOUS
『The Craft』
Anti (2005)

  西海岸アンダーグラウンド随一の実力派として不動の人気を誇る、ブラッカリシャスの通算5作目。オールド・スクール的趣向を軸に、強度抜群のビートと、ヒネリとアイデアに富んだセンスを持つサウンド構築は他の追随を許さない。ギフト・オブ・ギャブの思慮深いラップは今回も冴え渡り、レディシ、フロエトリー、リリックス・ボーン、そしてジョージ・クリントンという手練との絡みでも魅せる。今回も余裕で傑作です! (池谷 昌之 bounce 2005年11月号掲載)

A HUNDRED BIRDS ORCHESTRA
『IN THE SKY』
GUT(2005)

  大阪から世界に羽ばたくダンス・ミュージック・オーケストラ、A Hundred Birdsから届けられたミニ・アルバムは、その可能性を広げ、実現した驚くべき充実作。ディープ・フォレストの名曲“Sweet Lullaby”や世界のフロアを揺るがしたDJローランド“Knight Of The Jaguar”の生演奏カヴァー“Jaguar”(ついに収録!!)、得意のディスコ・チューンからフラメンコ古典まで、その圧倒的なスケールとオリジナリティーは早くも唯一無二!(宇都宮 健太 bounce 2006年01・02月合併号掲載)

SAKEROCK
『LIFE CYCLE』
カクバリズム(2005)

  初のフル・アルバムは絶妙な仕上がり! エキゾ・ムードとファンキーなリズムがたっぷりで、トロンボーンやマリンバが醸し出す温和な空気にいたずらっぽいユーモアが混じって刹那的な爆発力が生まれている。基本はインストだけど、幅広い音楽性がとてもおしゃべりで何とも憎めない。ジャズ・マナーにも(一部)則ったシャープさ、そして奇妙なプレイも聴き逃せない。これ聴いてすぐにSAKEでもあおって踊るべきでしょう。(鬼頭 隆生 bounce 2005年6月号掲載)

THE ZUTONS
『Who Killed...The Zutons』
Deltasonic(2004)

  現在のUKロックにおける注目都市のひとつリヴァプールから、またもや奇妙なバンドが現れた! 同郷のコーラルをファンク発酵させ、チープな珍奇グルーヴで仕立てたそのサウンドは、ライヴを観たミュージックの面々もブッ飛んだという正体不明ぶり。良い意味で後味の悪いヴォーカルと、それを増幅させるサックスの響きが聴くほどにジワジワと効いてくるので要注意! ところで、コイツらはどうして白塗りゾンビなのか?……謎だ。(岩田 真也 bounce 2004年5月号掲載)

NATSUMEN
『NEVER WEAR OUT yOUR SUMMER xxx !!!』
TOPMEN/UMA RECORDS(2006)

  〈とにかくライヴが真骨頂!〉と評判のNATSUMEN。そんならコレでも喰らえ!といわんばかりにリリースされたセカンド・アルバムは、ライヴ・レコーディングをベースにした生々しくも瑞々しい音の嵐。トランシーで破壊力満点のリズム、絶妙なホーン・アンサンブル、フリーキーなギター、そして何といっても必殺の泣きメロ! 結成初期から現在までのライヴで人気を集めているナンバーばかりなのも嬉しい。(宗像 幸彦 bounce 2006年01・02月合併号掲載)