時代や世代を超えて輝き続けるジャパニーズ・ナンバーの数々。そんな名曲たちをカーステで流しながら、今日も気ままなドライヴへGO GO!
――またまた今日も仲良くドライヴ中の達也とトオル。どうやらタワレコでお買い物した帰りみたいですよ、またまた。
達也「おい、今日はなに買ったんだよ」
トオル「えーっとねえ、PUFFYの新しいアルバム」
達也「へぇ~、ファンだったっけ?」
トオル「まあまあ」
達也「なんだよ、〈まあまあ〉ってのは」
トオル「つまり〈まあまあ〉だよ。ヒット曲ぐらいは知ってっけどさ、アルバム買うのは初めてなのよね。ちょっと前からさ、CSでやってるPUFFYのアニメにハマッててさ。ところで、達也はAMIちゃんとYUMIちゃん、どっちがタイプ?」
達也「なんか、ずいぶん前にうちのパパの友達が同じこと言ってたような気がするなあ。それってさあ、ビートルズの中で誰がいちばん好き?って訊くのと同じぐらいナンセンスだね、ってパパは言ってたよ」
トオル「ほぉ~、なかなかイイこと言うじゃん、達也のパパ」
達也「っていうかさ、AMIYUMIもイイお年頃だよな」
トオル「デビュー10周年とかだろ。30ちょいだよな。オレはぜんぜんアリだけど」
達也「なにがアリなんだよ。あっ、そういやあ、この前トオルの部屋に遊び行ったとき、若妻なんちゃらとか、義母のなんちゃらとかっていう動画データがデスクトップに置いてあったよな」
トオル「女は30越えてからだろ」
達也「まあ、わからんでもない話だが」
トオル「あっさり納得するのね」
達也「話が長くなりそうだからな。それはそうと、いつもの箱(注)から良さげなテープ探してよ」
トオル「あいよ!……おっ、これなんかどうかにゃあ。〈キミノヒトミニコイシテル〉。深キョンの歌であったよな、おんなじ題名のやつ」
達也「うん。で、どんなのが入ってんの?」
トオル「ええと、1曲目はカエラだね。あと、YUKIちゃんとか……あっ、なんか書いてあるぞ。〈オンナのコのロックにまつわるエトセトラ〉だって」
達也「女子ヴォーカルのロック・サウンドを集めたと見る」
トオル「そうみたい。でもさあ、オンナのコがやるロックって、たまに引いちゃうやつとかあるよな」
達也「あるある。自分のこと〈アタイ〉とか言ってるやつとか。やたら不幸な歌をうたってるのも苦手だなあ。やっぱ、ユーモアとか軽妙さがないとね」
トオル「そうだな。あと、なんだかんだ言ってカワイイ人じゃないとダメ!」
達也「男の場合、カッコイイ男がロックをやってると、逆に説得力がなくなったりする場合もあるんだけどな。まあ、民生は例外として」
トオル「そういやあ、PUFFYもYUKIちゃんもカエラも同じ事務所なんだよな」
達也「おっ、なんか業界人みたいだな。ちなみに、加藤ローサもいっしょだぞ」
トオル「あと、デーブ大久保も!」
達也「いきなり畑違いの人が出てきたな」
トオル「思ったんだけど、デーブは江川に対抗意識を持ってると思うよ、絶対」
達也「なんの話だよ!」
トオル「そうそう、徳光さんも同じ……」
達也「もういいって! それより、いまかかってんの森高だよな」
トオル「ええっと……そうそう、“ザ・ストレス”ね」
達也「なっちがCMでカヴァーしてたけどさ、アレはイイよな。同じ森高のカヴァーでも、あややの“渡良瀬橋”より個人的には好みなんだけど」
トオル「っていうか、CDで出てたぜ」
達也「マジで? もっかいタワレコに戻ろっかな」
トオル「また今度でもいいじゃん」
達也「ま、そうだよな。ところでトオルはストレスたまることあんの?」
トオル「し、失礼な! ボクだってありますわよ、ストレス。自サーバーじゃないサイトから重たい動画をダウンロードしてる時とか」
達也「あいかわらず精が出ますことっ」
(注)達也の車に積んである〈いつもの箱〉には、達也パパが編集したカセットテープがいっぱい入ってるんです!!
登場人物紹介/
達也……のほほ~んとキャンパス・ライフを送っている、今春から大学3年生。意中の愛ちゃんとは友達以上恋人未満。
トオル……達也のキャンパス仲間。最近コンパで知り合った美穂ちゃんにイレコミ中。意外と純情。
達也パパ……編集テープ作りが趣味の、ちょっと古風な音楽ファン。高校時代は甲子園に出場したこともある。