Ⅲその後の流れと、現在の音楽シーンに見るプログレの影響力
70年代前半をピークに盛り上がりを見せたプログレ・シーンだが、運命の77年、突如として巻き起こったパンク・ムーヴメントによってその存在を否定されてしまう。そして、そこからしばらくの間、プログレは音楽シーンから置いてけぼりを食うのである。
しかし、皮肉にもパンクから派生したポスト・ハードコアの登場で、プログレはふたたび輝きを取り戻すことに! それはハードコア・スピリットの要素=〈進化〉がプログレの技巧や精神に呼応した結果であった。マーズ・ヴォルタやコヒード・アンド・カンブリア、デリンジャー・エスケイプ・プランといったバンドが奏でる複雑な展開を持った楽曲は、まさに新しいプログレと断言したい。また、ジャンク・バンドのバストロから派生したトータスや、元ヘルメットのドラマーが率いるバトルズはジャーマン/カンタベリー系の実験精神を継承。そのほか、キング・クリムゾンの前衛性にハードコア・スピリットを抽出したようなゴッドスピード・ユー・ブラックエンペラー!や、シンフォニック・プログレを彷彿とさせるシガー・ロスの世界観などなど、例を挙げればキリがない。
最後に、このページで紹介した新旧の名盤は氷山の一角どころかその先端の水滴にも満たないということを強調しておこう。さあ、アナタも深く広大なプログレ樹海の迷い道に、足を踏み入れてみてはいかがかな?
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