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第65回 ─ OPUS OF THE YEAR2005 DVD/SOUNDTRACK

豊作の音楽ドキュメンタリー作品を一気におさらい!!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2006/02/16   11:00
ソース
『bounce』 272号(2005/12/25)
テキスト
文/小野田 雄、桑原 シロー、まちだ ゆうき、村田 泰行

 2005年は音楽ドキュメンタリー作品が多数発表された1年でした。そのどれもがアーティストやシーンの普段見ることのできない真実に迫ったもの。そんな興味深い映像の数々には感動させられてばかりですが、ここではそんなドキュメンタリー作品を一挙にご紹介! これらを観れば、さまざまなアーティストやシーンの新たな魅力を感じとることができますよ!!(編集部)

『Style Wars』 ナウオンメディア
これこそヒップホップの魅力そのもの! ストリートを彩るアート・フォームが楽しすぎる、古き良きオールド・スクール・ヒップホップを記録したクラシック作品。20年以上ぶりに蘇ったDVD版は充実の3枚組だ。出演者と振り返る2005年リヴィジット版は必見です。(村田)

『ライム&リーズン』 ナウオンメディア
アメリカ社会とヒップホップ・シーンの関係をシリアスに語る、いまは亡き2パックやノトーリアスBIG、若き日のナズ、KRS・ワンといったパイオニアたちの貴重な肉声を収録! 数ある音楽メディアでも聞くことのできない生々しい声は、ドキュメンタリー映画ならでは。(村田)

『マエストロ』 ナウオンメディア
オルタナティヴなハウスやパブ・ディスコが地下に浸透した近年の日本の状況とタイミングを合わせるように登場した、70年代NYの地下ディスコ・ドキュメンタリー。錚々たるDJたちの語りからフランソワKの切ない顔まで、NYハウスの伝説を紐解く貴重な作品だ。(小野田)

『End Of The Century』 キング
ラモーンズの真実に迫る初のドキュメンタリー作品。3コードで突っ走るシンプルで激情的な楽曲とは裏腹に、渦巻くメンバー間の不和を描くダークな内容で、彼らに抱いていたヒーロー像は消えるかも知れないが、この真実を見ずしてラモーンズ好きとは言わせない!!(まちだ)

『メタリカ 真実の瞬間』 パラマウント
メタリカが解散の危機に陥っていた2001年から復帰するまでの2年半に密着した作品。ベーシストの脱退やレコーディングの中断、さらにはメンバーの不仲といった困難を乗り越えて、アルバム『St. Anger』を完成させる姿はファンでなくとも共感できる。(まちだ)

『ノミ・ソング』 avex trax
不思議の国のクラウス・ノミ。その国の内実をズバズバと暴き立てたチクチクするドキュメンタリー。どんな時も青ざめた小鳥のようなノミの表情が胸を刺さずにはいない。ニューウェイヴの波が打ち寄せた時期のNYの、ヒリヒリした空気も刺激的に蘇る。(桑原)

『MOOG〈モーグ〉』 ナウオンメディア
2005年、モーグ誕生50周年の再評価高まるなか、DVDリリース直後にモーグ博士が突然の他界。博士の飽くなき探求心とオーガニックで神秘的な独特の創造哲学、音楽史を塗り変えた電子楽器の秘密は、博士の愛すべき人間性が詰まったこの作品であきらかにされる。(村田)

『メイヤー・オブ・サンセット・ストリップ』 キング
60年代から現在まで、錚々たる音楽家に愛された伝説のグルーピー/DJのロドニー・ビンゲンハイマー。彼の半生を記録したドキュメント映画である本作を観れば、ロックンロール・ライフのなんたるかが丸わかりだ。(小野田)

『フェスティバル・エクスプレス』 ポニーキャニオン
多くのロック・ファンが狂喜した幻のフェスの記録映画。ミュージシャンを乗せた列車は絶えず音楽と笑いに溢れていた。とにかくピースフルな場面の連続で、演奏シーンはもちろんのこと、ジャニス・ジョプリンの弾けた笑顔が忘れられない。(桑原)

『ライトニング・イン・ア・ボトル』 日活
ブルース生誕百周年事業の一環で行われた大イヴェントをアントワン・フークワがまとめた超話題作。製作がマーティン・スコセッシということもあり、ウルサ型ファンも多く飛びついた。ブルースが育んできたものを浮かび上がらせる、まさに奇跡の一夜の記録だ。(桑原)