8月6日(土)
アナログフィッシュ(SOUND OF FOREST)
photo by RUI HASHIMOTO
飄々とした佇まいからは想像もつかないほどキレのあるライヴでSOUND OF FORESTを盛り上げたのがアナログフィッシュ。3ピース・バンドというミニマムな形ながらも、かたやコケティッシュでキュートな、かたや深く聴かせるタイプのツイン・ヴォーカルの秀逸な声質によって、そのポップ・ソングは多様な彩りで魅せてくれる。30分という短い間ながら、ヴァラエティに富んだ完成度の高いパフォーマンスが印象的。*岡本
THE BACK HORN(LAKE STAGE)
photo by KENJI KUBO
射るような日差しのなか、LAKE STAGEに登場したTHE BACK HORN。スタンディング・エリアから突き上げられる拳に向かい、出血しそうな勢いで叫び、歌う山田将司の姿に身動きが出来なくなる。歓喜と恐怖が同時に襲ってきて目眩がする。狂ったようなピアニカの音と共に、絶対的な優しさを湛えた“ヘッドフォンチルドレン”、激情ほとばしる“サニー”“光の結晶”、ラスト3曲の胸をえぐるほど強烈な衝撃はずっと残ったままだった。*岡本
DOPING PANDA(SOUND OF FOREST)
圧倒的な人気! 入場規制がかかるほどSOUND OF FORESTに集まったオーディエンスは、ダンス・ロックのパイオニア、DOPING PANDAにハナっからヤられてました。涼しい顔したニクイやつ、ヴォーカルの古川は「客、収まってねーじゃねーか」と他ステージへの野望も見せつつ、アッパーすぎるバースト・チューンを連発。もう踊るしかない! どうかなりそうな狂乱のパーティーは恐るべきハイテンションをキープしたままラストの“GAME”まで爆走したのでした。*岡本
photo by RUI HASHIMOTO
SPARTA LOCALS(SOUND OF FOREST)
続いては、ねじくれたキラメキ☆ポップスで独走状態、SPARTA LOCALS登場。「後ろまで全員、バレエで踊れ!」と初っ端から“トーキョウバレリーナ”で煽られて疲れてる場合じゃありません。迷走するファンキー・ビートで跳びはねる! 甘酸っぱいラヴ・ソング“ロックとハニー”、“僕はライオン”“夢ステーション”と最新アルバム『DERAMER』からのナンバーもたっぷり披露、ラストは切なく心を揺さぶるバラード“希望”で夕暮れどきをしっぽり演出してくれました。*岡本
THE BAND HAS NO NAME(GRASS STAGE)
奥田民生とSPARKS GO GOの15年ぶりの邂逅となったロックンロール・バンドが広大なGRASS STAGEに降臨。「初出場なのにデカイところですいません」といきなり謝る奥田民生だが、鳴らされるブルージーでアメリカンなハード・ロック・サウンドは大人のロッカーの風格をみせつける。トリプル・ギターという編成はともすれば大仰なサウンドになりがちだが、そのアンサンブルはブ厚いままで徹底してドライで風通しが良い。「なんか毎年人が増えてる気がするね~」というノンキなMCも最高。八熊慎一とのツイン・ヴォーカル(二人のハーモニーも絶品!)ということもあり、ひたすらギターを弾きまくる伸び伸びと楽しそうな民生の姿が印象的だった。*内田
SINGER SONGER(GRASS STAGE)
CoccoのMCにもあったとおり、メンバー個々人の多忙によって満足なリハーサルができなかったという事情もあり、30分ほどのステージとなったSINGER SONGERのライブ。しかし、くるりの岸田繁をはじめとした豪華メンバーによるバンド・サウンドとCoccoの歌が溶け合う瞬間は、至福という他ない。Coccoの水色のワンピースとシングル“初花凛々”の上昇感、広がりがマッチングした風景なんてもうひたすらマジカル。「このメンバーで今日ステージに立てて良かったです」というCoccoの最後のMCがSINGER SONGERのかけがえのない絆を表していた。ラストに披露された新曲“花柄”ははやくも次のSINGER SONGERを示唆するかのようなはかなくも雄大な名曲だった。*内田
RYUKYU DISKO
硬質なテクノのビート、太鼓の響き、女性ヴォーカルの透き通るような沖縄民謡の調べ。全てが溶け合って放射される、天にも昇るような心地よさ──ダンス・ミュージックと琉球音楽を融合したRYUKYU DISKOのアクトが始まると、惹き付けられるように続々と人が集まってきました。自由自在に踊るオーディエンスでふくれ上がったDJ BOOTHは、いつしか沖縄の盆踊り大会のようになり、なんとも多幸感にあふれた夜の饗宴となりました。*岡本
Mr. Children(GRASS STAGE)
ヒット曲を多数持ちながら、カリスマティックな佇まいと柔和な親近感を両立させているのはミスチルぐらいだろう。『ATOMIC HEART』収録の“雨のち晴れ”(懐かしい!)でオールドファンを狂喜させたかと思えば、最新シングル“and I love you”では、壮大なミディアム・テンポで圧倒する。ファルセットで押しきるサビメロには重みとストーリー性が込められており、まさしくそこらの若手じゃできない芸当だ。求道的なトーンを強めつつも突き抜けた桜井の存在感とパフォーマンスは、聴衆の耳目を本編ラストの“HERO”まで離さない。ポップなだけではないメロディー、アレンジを含めた楽曲のスケールのデカさは、GRASS STAGEにバッチリと映えている。アンコールで披露された“innocent world”では大合唱が巻き起こり、最大規模のフィールドに満ちた多幸感を、演奏終了後に打ち上げられた花火が倍加した。*内田
▼上記アーティストの近作品