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第2回 ─ ROCK IN JAPAN FES. 2005@国営ひたち海浜公園 8月5日(金)~8月7日(日)2005年

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 05
公開
2005/08/18   01:00
更新
2005/08/25   19:23
テキスト
文/内田暁男、岡本昌子

3日間とも晴天に恵まれ、全日程ソールドアウト、延べ13万5千人もの来場者を記録し、過去最高の盛り上りをみせた日本のロックの一大祭典〈ROCK IN JAPAN FES. 2005〉。豪華すぎる出演陣、新設されたSOUND OF FORESTステージ、DJ、お笑いのライブと楽しみ方の規模も拡大した今年の注目アクトの数々を早速レポートです! 

8月5日(金)


photo by RUI HASHIMOTO

風味堂(SOUND OF FOREST)

 今年から新設された3番目のステージ、SOUND OF FOREST。小さいけれど緑に囲まれた空間は居心地よく、なによりステージとの距離がそのへんのライヴハウスより近い! ここから多くの名ライヴが生まれそうな予感。そのこけら落としを飾るは、注目のギターレス・ピアノ・トリオ、風味堂。抜けのいい歌声と、スウィングするピアノが瑞々しく広がっていきます。“ナキムシのうた”ではオーディエンスも歌い出し、秀逸なソング・メイカーとしての実力も見せました。*岡本

セカイイチ(SOUND OF FOREST)


photo by RUI HASHIMOTO

  本番前のマイク・テストのときから「愛してる~」なんて叫んで客を沸かせてたセカイイチ。その無邪気なまでのポジティヴィティは、骨太ギター・サウンドに乗って伸びやかな歌となり、聴く者全ての心の奥まで届けられます。だけどそれだけで終わらないのが彼らの魅力。“三日月”“井の中の世界”、ラスト“石コロブ”の流れで見せた強さ、その美しさには釘付けになるほど。次世代ギター・バンドとしての頼もしさを感じます。*岡本


photo by RUI HASHIMOTO

10-FEET(LAKE STAGE)
 
  そして駆け付けたLAKE STAGE。10-FEETは“nil?”を披露し、完全に場を持ってっちゃってました。NAOKIもベースを弾きながらいつもより多めに回っております。オーディエンスとの温もりのあるコミュニケーションもさすがの一言で、TAKUMAはマイクを通さず地声で話しかけ、LAKE STAGEをみっちり埋め尽くしたオーディエンスはその扇動によってでっかいウェーヴを作る。たまんない快感! そしてラストは名曲“RIVER”。「毎日こんなんやったらええのにな~」ってTAKUMAの叫びと共に胸を締め付けられました。*岡本

マキシマム ザ ホルモン(SOUND OF FOREST)


photo by RUI HASHIMOTO

 スタンディング・エリアに怒涛のようになだれこむキッズたち。そう、きました、マキシマム ザ ホルモン! 〈三度の飯より飯が好き〉な、超絶はらぺこロック・バンドfrom八王子!! のっけから“包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ”をぶっ放し、ドラムのナヲ嬢の関西仕事的パンチのきいたMCも相まって、ステージ上も下も一緒になって飛ぶわ叫ぶわ暴れるわ。へヴィーでポップな熱すぎるパフォーマンスに魂焦がされました。*岡本

つじあやの(SOUND OF FOREST)


photo by RUI HASHIMOTO

  夕暮れ前の涼しい風と共に、颯爽と現れたつじあやの。今回に向け毎日朝錬をしてきたというバンド・スタイルでの登場です。1曲目の“春風”から弾けるようなうきうきヴォイス、続く“ありきたりのロマンス”“年下の男の子”では皆がゆるーく踊りだす。SOUND OF FORESTは、ラストの“クローバー”まで時の流れが止まったかのような素敵空間になっておりました。緑があって、空は青くて、つじあやの。至福のコラボと言えます。*岡本

100s(GRASS STAGE)

  バンド・メンバーが楽器と楽器の呼吸を確かめるようにジャムる“OZ III”から、中村一義が登場してのリフ・ナンバー“A”へなだれこむという、単独ツアーとは違うオープニングがフェスならではの盛り上がり。 “ラッタッタ”“1,2,3”というタテノリ曲のあとに披露された“Honeycom.ware”が広大なGRASS STAGEに吹かせたファンキーでふくよかな風、アルバム『OZ』のなかでも重要なミディアム曲“扉の向こうに”が与える壮大でスピリチュアルな感動、〈愛〉を訴える“キャノンボール”のアッパーな高揚感など、多彩な表情のひとつひとつがオーディエンスとの対話のようだった。*内田

m-flo(LAKE STAGE)


photo by KENJI KUBO

 LAKE STAGEが一気にアゲアゲ空間になった、オーディエンスを全く飽きさせることのないさすがのパフォーマンス。グイグイと引っ張っていくVERBALの巧みなステージ捌きに、Diggy-MO'(SOUL'd OUT)とEMILY、YOSHIKA、melody.、山本領平と次々に登場するゲストたちが応戦していく。TAKUを中央に、ギター、ドラムといった生楽器を配した編成で繰り出されていく太いダンス・サウンドの数々や、過去の楽曲をメガミックスで凝縮した〈m-flo medley〉、スクリーンの映像と同機させたコール&レスポンスなどのエンターテイメントを知り尽くした演出がお祭り気分を盛り上げまくる派手派手ステージに大満足。俺的には裏ベスト。*内田

真心ブラザーズ(LAKE STAGE)


photo by KENJI KUBO

  5月に再結成した真心ブラザーズ待望のステージは、あたたかい音を奏でるホーン隊をバックに“RELAX~OPEN~ENJOY”で幕を開いた。「今から、伝説のライヴが始まるんだぜ~」倉持の一言で沸き起こる歓声、つうか悲鳴! “BABY BABY BABY”、新曲“Dear Summer Friends”“endless summer nude”“拝啓、ジョン・レノン”と感涙ものの名曲を連発、アンコールの“空にまいあがれ”までLAKE STAGEはノンストップで狂喜乱舞。奔放にステージ上を泳ぎ、観客を煽る大胆不敵な男前・倉持。あっつい中、長袖のザ・フー Tシャツと革パン着用で(01年出場時のもの!)笑顔でギターを弾く桜井。聴く者に決してすり寄らず、絶妙な距離感を持って圧倒的な強さと優しさで包みこむ──真心は相も変わらず真心で、「再結成して本当に良かったー!」って叫びたいのは倉持、こっちの台詞だよ!*岡本

▼上記アーティストの近作品