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第68回 ─ LITTLE BROTHER

第68回 ─ LITTLE BROTHER(2)

連載
360°
公開
2005/07/21   17:00
更新
2005/07/21   18:07
ソース
『bounce』 266号(2005/6/25)
テキスト
文/キング数、森 杜夫

EDGAR ALLEN FLOE
江戸川乱歩の筆名が〈推理小説の父〉であるエドガー・アラン・ポーの名をもじったものだというのは有名な話だが、さて、この男の真意やいかに? 〈Jリーグ・バブル〉に乗じてこのたび『True Links』でデビューしたエドガー・アレン・フローは、スライスマイスタ名義でトラック制作もこなす男だ。そのラップ・スタイルはNY系のそれと直結するオーソドックスなものだが、抑揚の付け方やライム・デリヴァリーにおいて好事家をニンマリさせる〈魅せドコロ〉もモリモリ用意。かなりのラップ巧者だと言える。そんな特性も踏まえて、今回の『True Links』に自身のプロデュース曲は1曲のみ。大半の曲で9thワンダーやクライシス(アウェイ・ティーム)らにトラック制作を委任。ファットなビートと流麗で甘美でソウルフルなメロディーが響くたびに、この〈Jリーグ・バブル〉がたやすく弾けるものではないと認識させられる感じも。早くも今秋には2作目が登場予定だとか。(森)

9TH WONDER
彼がより広いフィールドに飛躍していくことで、ホームであるJリーグ選手たちを刺激する……ってのは〈海外組〉のことじゃなく、9thワンダーの話。そんな彼の躍進はナズ『God's Son』のブート・リミックス盤がきっかけで、ナズと争っていたジェイ・Zが(たぶん)同作を聴いて、“Threat”のプロデューサーに9thを抜擢したのでした。その後はジェイの紹介でデスチャやメンフィス・ブリークにもトラックを提供、着実にメジャーの王道を歩んでいるわけです。ただ、その一方で9thは自己のオーセンティックな作風が映える足場をキープしていて、重鎮のマスタ・エースやデ・ラ・ソウル、マース、そしてジーン・グレイ……と通ウケする面々との絆も固い様子。LBはもちろん、Jリーグの発展にも十分フィードバックされそうで、今後も期待大ですね!(数)

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