サムライとヒップホップ――渡辺信一郎監督の最新作は言うなれば〈伝統〉+〈革新〉のチャンプルーだ。サムライが21世紀の若者言葉で会話し、ストーリーがレコードのスクラッチ音と共にプレイバックされ、主人公のムゲンはブレイクダンスで敵をなぎ倒す。監督お得意の社会不適応者たちの饗宴は、アニメであるからこそ描ける〈非日常であることの快楽〉に満ちている。まさに問答無用の気持ち良さ! 〈ひまわりの匂いのするサムライ〉を探しに、ムゲンとジン、そして茶屋の娘フウの旅が今はじまった。さてさて、この先3人の身にはなにが待ち受けているのだろうか……。