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第13回 ─ 〈SUNSET LIVE〉3日間高速レポート!!

第13回 ─ 〈SUNSET LIVE〉3日間高速レポート!!(2)

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 04
公開
2004/09/16   16:00
更新
2004/09/24   19:54

9月4日(土)2日目

 宿泊先の天神からバスで会場に着くと、楽しみにしていたカセットコンロスには間に合わなかった……無念な気持ちをビールで洗い流し、気持ちを切り替えてパームステージ2番手のcopa salvoのライヴへ。なぜかやたらとBOOWYネタで押し通すヴォーカル増田のMCに失笑しつつ、いつしかいつものCopaペースに引きずりこまれていく。何かに取り付かれたような激しい演奏を聴かせる小西英理のピアノと、ステージ上のみならず観客の間をかき分けて走り回り場を煽るピーチ岩崎の盛り上げぶりに感銘。近く発表されるであろうアルバムからの新曲も素晴らしかった。こういうイヴェントでは、彼らは強い。

  続いての登場は、The Miceteeth。DETERMINATIONSが解散してしまったいま、パームステージのロケーションが一番似合うスカ・バンドは彼らだ。やわらかくあたたかみのあるアンサンブルが、眩しい日射しと海風に溶けあうようで、ホント気持ちいい。なかでも“レモンの花が咲いていた”~“ネモ”のカリプソ調ナンバーがハマりすぎ。惜しむらくはヴォーカル次松の声が本調子ではなかったように思えたことか。それにしても、パームステージの後ろのほうにシートを敷いてのんびり観たり、暑くなったら波で足を冷やしにいったり……を繰り返しながらのんびり過ごすのに、今日のラインナップは最適だ。


Leyona

 ビールの消費量もかなりなものになってきたあたりで登場したのが、Night Jungle。ディジェリドゥーのGOMAを中心に、ドラヘビからThe K(g)とPATA(b)、LITTLE TEMPO/川上つよしと彼のムードメイカーズの大石幸司(dr)、DETERMINATIONSの市原大資(tp、tb)によって結成された新ユニット。これが思いがけぬ収穫だった。図太いリズム隊を従えて、レゲエ・トラックのうえで奏でられるGOMAのディジェリドゥーは力強く、雄弁。本人のMCからも、確かな手応えを感じ取ることができた。曲名はわからないが、ラスト2曲前のルンバっぽいナンバーが市原が組んでいたBush Of Ghosts(大好き!)っぽくてツボだった。

 そして、ステージ前にこの日一番の観客が集まったところで登場したのがLeyona。元ロッキングタイムの山本貴志(g)ら気の知れた面々と展開されるリラックスしたセッションは、夕凪のようにすーっと身体に染みてくるようだった。

  ちょい押し気味?な感じで、うっすらと夕闇が迫ってきた最高の時間帯に登場したのがLITTLE TEMPO。ますますカラフルに、そしてどんどんタフになっているリトテンのバンド・サウンドは、ここSUNSETのステージでも申し分ないぐらいに発揮されていた。“Musical Brain Food”のソロ回しなど、メンバーそれぞれが思いきり楽しんでる様子も窺えたりと、今の充実ぶりを実感。途中でランキンタクシーが飛び入りする嬉しいハプニングも。

 すっかりあたりも暗くなってきたところで、着流しに麦わら帽、手にはウクレレという出立ちで登場したのは、今野英明。カセットコンロスの山上ヒトミをゲストに迎え、“Love Me Forever”をはじめ古今東西の名曲を気持ちよさそうに歌っていく。ホント、夕涼みにはピッタリの音楽。それにしても“椰子の実”のセルフ口ダブは、何度聴いても面白いデス。

 パームのトリのEGO-WRAPPIN'が押してるようなので、福岡の友人に強くすすめられてビーチステージに移動。トリをつとめる小柳信二(Waltz Elegy)のライヴがはじまっていた。これが本当に素晴らしかった。なかでも〈Dear America〉と繰り返すナンバーは、すべての人が心に持っているであろう、どうしようもない不安や疑念に訴えかける力強いメッセージソングだった。


9月4日出演陣オールスターセッション!

  小柳信二に後ろ髪を引かれつつ、再びパームステージへ。ようやくEGO-WRAPPIN'の登場だ。完成したばかりの新作アルバム『merry merry』から“林檎落花”や“moonlight journal”“カサヴェテス”などを次々に披露。そこにあるのは、これまでとは違う場所に確実に移動しているEGO-WRAPPIN'の姿。曲が進むに連れて、その新たな魅力に多くの観衆が引き込まれていっているのが伝わってくる。少しだけパラついてきた雨のなか、アンコールで披露されたのは“色彩のブルース”。しかしそれも、いままでとは違った肌触りを感じさせてくれるのだった。オーラスはパームステージに登場したほとんどのミュージシャンがステージに上り、“SAMBA DE ORFEU(BLACK SUNDAY)”をセッション。空には花火もあがって、充実の二日目が無事終了したのだった。

▼上記出演アーティストの作品